雨曝しな気持ちは言葉にするべきだ

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amazarashi大好き系ブログ

【青の帰り道】たられば、シングルA面になるはずだった説

こんばんは、ダーレクです。


最近「青の帰り道」が再上映されたりでまた盛り上がっているみたいですね。


僕の期待を軽々飛び越えるスゴい作品だったので、この記事を読みに来る程この映画に興味を持っているamzファンには是非とも観てほしいと思っています。

dalek-amz.hatenablog.com



さてさて、あの映画とamazarashiについてはもう一つだけ言いたかった事があったのでこの機会に語らせてください。


タイトル通り『たられば』についてなのですが、今回は曲の内側というより外側のお話です。





『たられば -acoustic ver.-』の存在


amazarashiにおいて『たられば』は4thシングル「空に歌えば」のカップリング曲としてお馴染みですが、実はリリース当初から不可解な点がありました。


というか当時は誰もが驚いたと思いますが、そのシングルに収録された“acoustic ver.”は『空に歌えば』ではなく『たられば』だったのです。

amazarashiのシングルで弾き語り枠がカップリング曲に奪われたのは初です。


その件についてはインタビュアーさんも気になっていたようで、当時のインタビュー記事にこんな質問がありました。

──4曲目に「たられば」のアコースティックバージョンを収録したのはどうしてですか?

上で書いたポエトリーリーディングの話と同じで、弾き語りもいつか僕の武器になると思うので最近のシングルとかには入れるようにしてます。今は頼れる仲間と一緒にできて楽しいですが、僕個人の純粋な音楽力もちゃんと磨いておかなければと思ってます。


僕は初めて読んだ瞬間からこの返答に違和感を覚えていました。

もちろんアコースティックバージョンを収録した理由については回答されていますが、“「たられば」の”を思い切りスルーしています。


今までシングルには“表題曲”の弾き語りが収録されていました。その法則が破られたことは秋田さん自身が一番よく分かっているはずなのに、そのことに全く触れないのは流石に不自然ではないでしょうか。

たられば acoustic ver.

たられば acoustic ver.

  • amazarashi
  • ロック
  • ¥255


当時の僕は「『空に歌えば』を一人で歌うことは不可能だから豊川さんを呼ぶ代わりに『たられば』を弾き語った」と結論づけていました。理論武装解除では前者が選ばれてあまざらしver.が叶ったというわけですね。


しかし、「あらかじめ用意していた『たられば』の弾き語り音源を何らかの事情で出せなくなっていた」と仮定したらどうでしょう。





映画撮影中に起こった事件


もはや高畑裕太氏の不祥事については有名なので省略しますが、その事件を起こした2016年夏が「青の帰り道」の撮影中だったと知った時は衝撃でした。


その影響でお蔵入りの危機に瀕したものの、監督やキャストの執念で翌年2017年夏に再撮影&クランクアップ。


彼はデキ婚カップルの彼氏側であるコウタ役だったみたいですね。翌年の再撮影時には戸塚純貴さんが代役を務めました。


そうとは知らずに観た僕ですが、おかげさまで違和感なく楽しめました。





『たられば』の完成時期について

13:00~amazarashiの話
youtu.be


藤井監督へのインタビュー動画では、「脚本書いてる最中からオファーをした」と話されています。


つまり映画の撮影中、少なくとも事件の起こった2016年8月23日には既にそのオファーがamazarashi側に届いていたはず。


そして極めつけは秋田日記です。

有料コンテンツなので引用は控えますが、2016年7月18日の出羽さんアレンジ完成云々の話が先述のインタビューのある発言と似通っていました。

僕の作ったデモの段階ではミドルテンポのギターロックっていう感じだったんですけど、アレンジャーの出羽(良彰)くんが歌詞を汲み取ってくれて、この曲にはこれしかないっていうアレンジになったと思います。


さらに日記内で挙げられたその曲の特徴も『たられば』と共通していました。

つまり、この時期に『たられば』の完成形が手元にあったのは間違いないと思われます。





見捨てられた「青の帰り道」


それらを踏まえるとまるで秋田さんが見切り発車で『たられば』をリリースしたようにも見えますが、冷静に考えると仕方の無い事かもしれません。


撮影中止の報を受けて落ち込んだのはチームamazarashiも同じだろうし、「一年待っててください!」って頼まれたとして「えっ…」ってなるのも無理ないと思います。

クランクアップが少なくとも一年先になり、もはや本当に完成するのかすら怪しくなってましたからね。


そして悩んだ挙句に『たられば』を先にリリースしてしまうことが決まったのでしょう。


悪いのは元凶だけで他の誰を責めることも出来ません。

しかし、「青の帰り道」公開以降もMVに追記が一切無いことを僕は未だに気に病んでいます。


amazarashiってそういうとこ雑なんですよね。タイトルくらい付け加えればいいのに。

youtu.be





おかげで『空に歌えば』が生まれた説


本来なら『たられば』が4thシングル表題曲になるはずだったから“acoustic ver.”も録ってあった。ところがそれが事実上の中止になってしまい弾き語り音源がお蔵入りになりそう。


というのが僕の立てた仮説ですが、そんな時にあるオファーが届きます。


そして秋田さんは閃いたのでしょう。


「このシングルに『たられば』を収録すればいいのか…!」


しかし、amazarashiのシングルには“表題曲の弾き語りを収録する法則”があります。


このまま普通にシングルをリリースしようとしても『空に歌えば』の弾き語りを収録することになり、結局『たられば』の弾き語りは出せません。


そして秋田さんは閃いたのでしょう。


「表題曲の『空に歌えば』を弾き語れなくすればいいのか…!」


というのも、再びあのインタビューを参考にしたところ、

──サビの「空に歌えば」の部分を秋田さんが歌わなかったのはどうしてですか? ちなみにどなたの声なのでしょうか?

ピアノの豊川(真奈美)のコーラスです。そこは初めから豊川に歌ってもらおうと思って作りました。絶対女性コーラスだなと思って。女性のコーラスが入るだけで楽曲がカラフルになるので、そういう突き抜ける感じが欲しかったです。


「初めから豊川さんに歌ってもらおうと思って作った」と言っています。


もちろん、acoustic ver.に影響が出ることも予測済みだったのでしょう。むしろ敢えてそうしたのだと僕は確信しています。

そうして豊川さんがフィーチャーされたとすれば、大人の事情で楽曲が変化していくのも悪くはないなって思えました。


豊川さんがキッカケで誕生した『たられば』を含め、実は4thシングル「空に歌えば」は秋田さんの真奈美愛に溢れた素敵な一枚だったのかもしれませんね。