雨曝しな気持ちは言葉にするべきだ

雨曝しな気持ちは言葉にするべきだ

amazarashi大好き系ブログ

“Acoustic Live”という叙述トリックをかましてきた「騒々しい無人」の感想

こんばんは、ダーレクです。


今年初の生秋田さん、半年ぶりのガーデンシアター、そして何より5年半ぶりの弾き語りライブということで、いつにも増してワクワクドキドキ全開で当日を迎えました。


ライブが始まるまで「騒々しい無人」ってライブタイトル以外何も明かされていなかったの冷静にやばくないですか??

twitter.com


グッズ争奪戦からライブは始まっている


僕はオフィシャルストアの事前販売よーいドンに参加することが出来なかった民なので、今回ばかりは気合を入れて物販から参戦する必要がありました。(祝・受注販売決定!)

販売開始の2時間前には居た方がいいだろうって直感のもと、11時半過ぎに会場入りしてみるといつもの入場口にはポツポツとしか人が見当たらず。

なーんだ余裕じゃんとトイレ休憩して戻ってくると、入口側からは死角になっていた退場用の階段に黒ずくめの行列ができていたことに気付きます。なるほど危ないところでした。階段上がってちょうど曲がり角らへんに並びました。

もしもあのまま腹ごしらえに向かっていたら、僕の運命はまた違うものになっていたかもしれません…。


当たり前ですが、並び始めてからが本番でした。

1時間モンストをしてもまだ13時。(プレデビオルが運極になった🍀)

ストレッチをしながらふと後ろを振り返ってみると、自分が来た時の何倍かも分からないくらい果てしない行列が生まれています。事前販売が品薄すぎて阿鼻叫喚だったので、同じようにここに懸けてきた人が多かったのでしょうか。

なんやかんや開始時刻4、5分前になり、ぞろぞろと入場が始まります。昼食抜きでいよいよ餓死するところでしたが、ついに見えてきた出口のおかげでブワッと元気がみなぎってきました。

会場内では『スワイプ』→『海洋生命』→『境界線』→『かつて焼け落ちた町』と有明ガーデンよりもバリエーション豊かな曲々が流れています。

最終的に僕は2種の半袖Tと実用性期待のトライアングルサコッシュを購入。

中には小物を6〜12個ずつ買い漁っている猛者もいて胸騒ぎがしましたが、受注販売が決まった今なら何でもいいか。

その流れで長期会員特典の受け取りとD賞のダウンロードもサクッと済ませ、いざ腹ごしらえへ。

ハニーマスタードチキンタコス(900円)

他にもモール内のお店によってはamazarashiのコアな楽曲を流していたりと、ライブ勢のワクワクをさらに高めてくれる粋な空間でした。


さて、かくかくしかじか開場時間。昨年はアリーナのド真ん中という最高の座席、今回はそこからやや右斜め前にスライドしたアリーナCブロック6列2番でした。

XCブロックと紛らわしいエリアだからか座席被りアクシデントも多く、逆にそれをキッカケに近くの人と会話が始まる光景も珍しくなかったです。

てか普通にCDJの前方エリアばりに近くてびっくりしました。紗幕の裏に秋田さん用のペットボトルが数本置いてあるのを視認できるレベルですぐそこ。ざっくり大股5歩でステージにタッチできる距離感。

開演前は撮影禁止っぽかったので時系列を犠牲にします(終演後)


あ↓ま↑ざ↑ら↓し↓発音のお姉さんが「ライブ映像の収録を行わせていただきます」ってアナウンスしてたし、撮影カメラも複数確認できたので、マジでこのライブは一夜限りで映像化するみたいです。

その後もスタッフであろう人影がアコギを持ってポジション確認をしたりして。いつの間にかペットボトルにストローも刺さっていて。10分前には全ての準備が整った様子でした。


19時を過ぎて謎に5分ほど追加で待たされつつ、いよいよいよ開演の時です。


ところで、今回は直前にマスクを外して本番に挑んでみました。最近は感情が爆発するあまり騒々しい顔面になって、ズレまくったマスクポジを曲間にいちいち直すのが面倒だったんですよね。

ボイコット時代はむしろ二重マスクで参戦していたものですが、何年経っても感染する気配がないので流石の僕も本質を見失いつつあります。


セトリ予想と答え合わせ

dalek-amz.hatenablog.com

【本物】
1. ジュブナイル
2. たられば
3. 隅田川
4. ロストボーイ
5. リビングデッド
6. 僕が死のうと思ったのは
7. 光、再考〜季節は次々死んでいく
8. カシオピア係留所
9. そういう人になりたいぜ
10. ひろ
11. 帰ってこいよ
12. さくら Starlight Ver.
13. 馬鹿騒ぎはもう終わり
14. スワイプ
15. 夕立旅立ち
16. アンチノミー

《アルバム内訳(あまざらし等込み)》
0.6:0.5曲
爆弾の作り方:1曲
(アノミー:1曲)
ねえママ あなたの言うとおり:1曲
夕日信仰ヒガシズム:1曲
あまざらし 千分の一夜物語 スターライト(!?):1曲
世界収束二一一六:1曲
虚無病:1曲
地方都市のメメント・モリ:1曲
ボイコット:4曲
令和二年、雨天決行:1曲
七号線ロストボーイズ:1曲
アンチノミー:1曲
アルバム未収録:2曲


ボイコット収録曲が4曲とぶっちぎりで偏っているのが意外でした。


【予想】
1. 夏を待っていました
2. マスクチルドレン
3. アンチノミー
4. この街で生きている
5. カシオピア係留所
6. 命にふさわしい
7. スワイプ
8. 境界線
9. 少年少女
10. アオモリオルタナティブ
11. 空っぽの空に潰される
12. ロングホープ・フィリア
13. 夕立旅立ち
14. 未来づくり
15. 空白の車窓から
補欠① 美しき思い出
補欠② ひろ
補欠③ 隅田川
補欠④ 僕が死のうと思ったのは

(正答率25%)


外れすぎwww


セットリストが16曲だったので『美しき思い出』が繰り上がり。ここで適用外となった補欠②〜④に限ってピンポイントで完璧にセトリ入りしていてクッソ笑いました。

ちょいちょい後述しますが、そっちか〜〜って外し方がやたらと多かった印象があります。やっぱりセトリ予想は自分の裏をかかないと駄目みたいですね。

『カシオピア係留所』『アンチノミー』『スワイプ』のセトリ入りは皆知っていたようなもので、まともに僕が的中させたと言えるのは『夕立旅立ち』のみ。あとは強いていえばポエトリー無し路線も良い線行ってたねって感じです。

そもそも最後までソロ前提の予想だったので半分以上外れるのは別にいいんですけど、それにしても前半部分こそボロボロですからね〜。絶対秋田さん僕のセトリ予想読んでから決めたでしょう?(陰謀論)


各楽曲の感想


MC部分は言葉を受け取った時の印象で記憶している節があって、総じてゴリゴリの意訳となっております。どうせ今回もガチ勢の方々が文字起こししてくれてるし、映像化も確約されているので安心して忘れておきました。(?)


中央のスポットライト、秋田さん登場の拍手、ギターを肩にかける後ろ姿に大きくなる拍手。


ジュブナイル

夏待ちじゃない…だと!?

イントロが今までの旋律とは全く違いましたが、一撃で察せるくらいには圧倒的ジュブナイルでした。擬音語でどれだけ伝わるか分かりませんが一応記しておきます。

【2017年版】
ジャンカジャンカジャカ
ジャンカジャンカジャカ
ジャンカジャーーン

【2023年版】
テテテテーーン
テテテテーーン
テテテテーーン

なんというか、アルペジオ4音で原曲のピアノに寄せたようなイントロになりました。

一番印象に残っているのは2番で2回言う「僕らここにいるのだ」の1回目で首をふりふりしていたこと。この曲で紗幕を使わず、ステージ下のライトが活躍するのもサビに入ってからなので、ここは映像化されても顔アングルだろうと早くも期待しています。

あとは「物語(騒々しい無人)は始まったばかりだ」って脳内変換されたりして「なるほどこれは1曲目ですわ」と勝手に腑に落ちてました。

弾き終わって「ありがとうございます。」とか一言二言喋っていた記憶がありますが、観客サイドと息が合わず拍手にかき消されがちだったので正直よく分かりません。笑


『たられば』

秋田さんが照らされて前面の紗幕に巨大なシルエットが!東京ガーデンシアターの灯りの下。

これまたイントロ一撃で『たられば』じゃねーかとは思ったわけですが、今までこんなイントロ聴いたことあったっけ?という疑問符に巻かれていました。でもなんかギリ聴いたことある気もするし。

その真相は、普段の僕がイントロ無しの理論武装解除ver.ばっか聴いてたもんで、シングルに収録されていた弾き語りにイントロが付いていたのを忘れていただけっぽいです。よね?

「もしも僕“も”頭が良かったら」という間違えたというより噛んだような歌詞ミスがありました。「もしも僕が名医だったら」という詰めの甘い紗幕ミスもありました。

神様のとこが比較的静かになるので秋田さんの余韻がよく響いていた印象があります。

たられば acoustic ver.

たられば acoustic ver.

  • amazarashi
  • ロック
  • ¥255


隅田川

曲紹介を兼ねたMCは、ネガティブな思い出を曲にしたと解釈できる内容でした。でも「昔はそんなに(以下略)」でお馴染みの僕死ならこんな言い回しにはならないはずだし…僕の脳内でほんの一瞬のクイズ大会が始まります。

はい、タイムアップ。弾きまーす。

♪〜

正解は『隅田川』でした!

いやーこれは流石に意外でしたね。この曲はてっきり「綺麗なラブソングが書けた!」って初めから自信を持っていたものかと思い込んでいました。

まあ確かに今に直結している思い出ではないだろうから思うところはあるのかぁ。初めてある種の“陰”を垣間見たような、いつも通りの綺麗な曲でした。

Cメロでは背景紗幕の花火が盛大すぎて秋田さんがくっきり浮き上がり、バーチャル空間でポツリと歌ってる感じに見えていたのが面白かったですね。

しかし、ここまで3曲とも理論武装解除のダイジェストみたいな選曲だったので、「で、次は?」という感情がそれなりに募っていたのも事実です。

そろそろ新鮮なやつも聴きたいんだが!!!


ロストボーイズ』

MCは「七号線ロストボーイ(発音訛ってない)」が人生の迷子になってる中で作ったアルバムだよって解説が中心です。とにかく内容が『ロストボーイズ』と直結していて確定演出でした。

あと序盤のMCって毎回咳払いしてましたよね。何気に必見かも。

良くも悪くもこのMCがアルバムを包括した結果、“七ロス枠”はこの1曲に集約されてしまったようです。

なんならもう1つ前のフルアルバムの方が優遇されていて、全体のバランスではなく本当にやりたい曲基準でセトリを組んだのが伝わってきました。

肝心の弾き語りはというと、ええもちろん僕は興奮しっぱなしでしたとも。こういうのが聴きたかったんだよ!って。前半戦で一番笑顔になっていたと思います。

1番サビの「張り付いて〜」も今回は別角度でエロかったです。抜けます。


『リビングデッド』

このライブで唯一、歌い出すまでに正解を思いつくことが出来ませんでした。

アコギちょんちょんのイントロといえば『ラブソング』ですが、いくらなんでもここまで不気味な音ではなかったような…とか考えてるうちに「ひるがえって」って。

予!想!外!

秋田さんは1番Aメロの低音をずっと歌いづらそうにしており、僕も驚きのあまり短期記憶の起動に手こずったもんで、聴いたものがスルスルと抜け落ちていく勿体ない時間がありました。最低音もちゃんと出てたのかとか憶えてないなぁ。

Bメロ以降は秋田さんのボルテージが上がってきて、ようやく僕の知っているリビングデッドが始まった感覚がしましたね。

Cメロからのラスサビへの、ギター1本ならではの入り方がシビれました。最後のおーおー4連発もマイクから離れることなく歌い切っていました。

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内容のとっかかりは現状「騒々しい無人」というライブタイトルのみ。

第一印象で『リビングデッド』みたいな言葉だなぁと思い、次第に意味的にも時期的にも『アンチノミー』だと気付き、そっから字面を眺めて空っぽとか馬鹿騒ぎとか脳裏をよぎって今ここです。

僕にとって『リビングデッド』といえば、ライブタイトルが発表されて真っ先に連想した曲でした。でも「武道館もアルバムツアーも終わってまさか再演する訳ない」ってガチガチの先入観があったのでガチ予想に入れる発想などなく…。

なんならこの時に4曲挙げて3曲入ってるし、よりによって僕が一番注目したのが唯一外れた『空っぽの空に潰される』だったのも笑えてきます。

ロスボツアーも歴史の流れを感じるセトリだったし、タイトルからの連想は悪くないヒントなのかもしれません。今後の予想の参考にします。

あとはシングル表題曲のくせにAcoustic Ver.が存在しないという不遇な曲でもあったので、5年越しのモヤモヤが回収されたことには素直におめでとうの気持ちです。記憶に新しい“ソレ”は忘れさられ終わる定めっぽいですけど。


『僕が死のうと思ったのは』

先に言うと弾き語りの方は『隅田川』と同じく口から音源タイムだったんですけど、個人的にはMCの曲紹介が理論武装解除に匹敵するくらい唸らされるものでした。

言い回しはさっぱり覚えてませんが、直前のリビングしてるデッドの考え方を引き継いだような内容です。

死のうと思ってる人=生ける屍でもあるって視点を新しく提示されている気がして、ライブタイトルからの連想ゲームも相まって納得の選出理由だなと。

演出はいつも通りの左右の灯火と、『たられば』と同じくタイトル周りの歌詞だけ出すタイプの引き算紗幕。

秋田さんは一貫して「ゴールはどうせ酷いものさ」と歌い続けるのに紗幕は当たり前のように「醜い」をコピペしてくるのがそろそろ気になってきました。映像制作時にどっちの歌詞をチョイスするかで厄介オタク度診断ができそう。(?)


『光、再考〜季節は次々死んでいく』

セトリ予想の的中率に一喜一憂しながら聴いていた身としては、この曲をぶっ込まれて笑わずにはいられませんでした。

⑩『命にふさわしい』
冷静に考えて『季節は次々死んでいく』『僕が死のうと思ったのは』『命にふさわしい』から1曲も予想しないのは舐めプに等しいので、弾き語りライブでの映像化が唯一されていない命をとりあえず選択。

このように予想時には季節&僕死を蹴って『命にふさわしい』を選んでいました。それに加えて、そもそも命ふさが理論武装解除で映像化されなかったのは、翌日に『たられば』と入れ替わりになったから。

そう、僕視点では『命にふさわしい』じゃない方の楽曲がぜーんぶセトリ入りして、メタ的に命ふさがこの後歌われる可能性も下がり続けていたのです。何でこんな綺麗に外せるかなあマジで。

ってことで頭がいっぱいな上に口から音源(定期)だったので記憶は雀の涙ほどですが、ラスサビ前のカッコいい溜めからの「後世 花は咲き 輪廻の輪に還る命」という全力歌詞ミスは脳裏に突き刺さりました。歌声の自信がブレないまま自然と修正していたのが印象的です。

この曲がもう一つ悩ましいのは、アレンジのせいで『光、再考』本体のセトリ入りが絶望的になること。

今の秋田さんならイントロのピアノっぽい旋律も再現できそうですし、いつか弾き語りする際にはこっちが選ばれて感動できたらいいなって思います。


『カシオピア係留所』

「感動ってどこから来るんだろう」「ハッピーエンドの過程に感動するんだと思う」みたいなMC。

その喋り出しから台本通りの着地点へと繋げるのに苦労してた様子で、最終的に「痛みが共通言語だと思う」って強行突破していてクッソ面白かったです。肩を揺らして笑いました。

理論武装解除も映像化された2日目はコンパクトなMCばかりですけど、僕が参戦した1日目はこんな感じでゆるゆる喋って畳んでいたんですよ。そういう意味ではすごく懐かしい気持ちになりました。

それにしてもイントロから凄まじかったですね。バックに映る星空と解釈が完璧に一致した音色でした。

歌唱について覚えてるのは「…fく〜沈める〜」「果たせないことが痛いよ」って歌詞ミスとか、「この世にある」が2回とも「長い旅路」と同じリズム(原曲よりも“に”を伸ばさない)で歌われたこととか。

元はいつまで経ってもセトリに入らぬことへの同情からかもしれないけど、今年に入ってからじわじわと良さに気付きつつある一曲です。

しかも明らかに弾き語り適性の高い曲だったし、今回歌ってくれて本当に良かった。あー早くイントロ聴き直してぇー。


『そういう人になりたいぜ』

ジュブナイル』に続いてイントロが原曲寄りに進化していたシリーズ。

ピアノの♪♪〜を再現したフレーズが入っていてテクニカルな聴き心地でした。まともに弾くのは3年ぶりだったろうに成長が見られます。

としかメモに残されてなかったんですよね。漠然と「いいなぁ…」って曲中浸っていました。

イントロの♪♪〜といえば、『スワイプ』Cメロ前の間奏に同じ旋律が交じっているのが気になってたんですけど、それがキッカケで歌いたくなって決まった可能性もあるんでしょうか…?

youtu.be


『ひろ』

理論武装解除ほどは待たされなかった感覚ですが、それでもそこそこ長い時間の沈黙。

この間はまさか!というか左側に白い物体増えてる気がする!

静寂を突き破ったのは豊川さんが弾くキーボードの音色。しかも秋田さんはギターを背負っておらず、まさかのピアノ伴奏+カラオケという千分の一夜物語スタイル。

って油断してたら2番からハモってくるしさ〜!!!

りんごが齧れるくらいに口を開いてそれを呆然と眺めていました。ちなみに秋田さんは手を組むというより両前腕を掴んでいたと思います。そういうパターンもあるんだって思いました。

仮にあまざらしが叶うとしてもインディーズ時代の曲ばかりだろうと僕は考えていたので、こんなに贅沢な豊川さんに浸れるとは騒々もしていませんでした。

アウトロの秋田さんのシルエットがどう見ても豊川さんの方向いてて尊かったです。嫁自慢やめい。

ちなみに豊川さんのシルエットがこの日はずっとしょこたんに見えてました。


『帰ってこいよ』

てことはピアノ映えする曲をやる流れになるのは明白でしたが、まさか『帰ってこいよ』が入ってくるとは。今回のセトリの中でもリビングデッド以上に意外だと思った曲です。

ドラムなどが欠けていても、やっぱりピアノがしっかりしている分原曲と遜色ない厚みを感じられますね。あとは口から音源定期です。

ここのアウトロもイチャイチャしてたなあ。

ところで、この曲はどちらかと言うと背景の紗幕にかなり注目してしまいました。

雰囲気はMVと同じなんですけど、リリックアニメの小細工が軽くなっていたし、青森をよりダイレクトに感じられるようにリメイクされています。大湊なんちゃらとかアスパムとか最高の映像でした。

youtu.be


『さくら』

MCではインディーズ時代に路上とかカフェとか居酒屋でやってた曲だと語っていました。さて、脳内では再びクイズのお時間です。

僕の予想した『少年少女』『未来づくり』が引っかかるか、或いはサプライズで未発表曲をやるか!?なんて考えていましたが、まさかの『さくら』です。

言われてみれば、大昔に掲示板か何かでこの曲もインディーズからやってるって噂を見聞きしていたような。すっかり忘れていました。

終演後に貰ったセットリストのポストカードでは、何故かこの曲の出典が「アノミー」ではなく「あまざらし 千分の一夜物語 スターライト」になっていたんですよね。まあ確かにアレンジはイントロから既にそっち寄りだったんですけど。

一番の見どころはやはり秋田さんの「桜〜」から連鎖する豊川さんのハモリでしょう。こんなん神の領域です。

豊川さんの歌声がライブ中最もクリアに聴こえる瞬間でもあり、ここで失禁したファンがいても不思議ではないレベルでした。

あまりに衝撃的だったので即席のアカペラ再現も打ち込んであります。

しかしよくよく聴き直してみると、バンド版の原曲にも同様のコーラスがうっすらと入っていたんですね。普段から本ハモリにばかり耳を澄ませていたので、ファン歴7年間近にしてまさかの新発見です。

そうなると過去のライブでも同じように豊川さんがハモっていたのか気になるところ。そんな訳でまた近いうちにセトリ入りしてくださいお願いします。


『馬鹿騒ぎはもう終わり』

暗転中に再びゴソゴソと何かが始まったもので「え、もう豊川さん撤収しちゃうの?」と思いきや、それどころかこっちサイドにドラムのような影が出現しているっ!!

そしてシャラシャラシャラ〜ってStarlight Ver.みのある何かを鳴らして始まる、この聴き馴染みのありすぎるイントロッ!!!!

ちょくちょく公言している通り、僕にとって馬鹿騒ぎは『パーフェクトライフ』『ハルキオンザロード』と並んで最上ランクの好きな曲なのです。ボイコットツアーでの聴き納めを覚悟していたのにこんなに早く復活するなんて!逆に勘弁してくれ!

橋谷田さんはバチを使わずにシンバルやコンガみたいのを手で叩いていてましたかね?

ってかよく見たらタケさんと井手上さんまでいるし。お2人とも珍しく座って演奏していて、スタンディングなのは手前の秋田さんただ1人。

そんなフォーメーションと現実離れした現実の音を、ボブサップを丸呑みする時くらいの開口で固まりながらしばらく眺めていました。

イントロギターの旋律はバンド版のやつでしたね。強いていえば末法独唱のイントロが一番好きなんですけど、あれってデモ版みたいな扱いだったんでしょうか。

「それぞれの人生に戻るの」のユニゾンなんかOh my God…と呟くしかありませんでした。曲中5回くらいは感嘆の溜め息が出ましたね。

天を仰いで拍手するか俯いて拍手するか迷いましたが、デフォルトの座高で後ろの人に迷惑をかけてる可能性を考慮して後者を選びました。


『スワイプ』

イントロに原曲の面影はほとんど無かったけど、この曲は絶対やると思っていたので不気味な響きからのメタ推理でスワイプだなと。

禍々しい紗幕も相まって、視界に映る全てが風邪をひいた時の悪夢のようでした。照明の感じとかマジで夢に出てくる時のamazarashiそのものだったんですよね。

秋田さんが登場した夢のまとめ記事に出てくるライブの風景も大半がこの雰囲気なんですよ。座席から見上げているアングルも近くてまさに正夢を見ている気分でした。

「暮れる〜陽を止めろ」のタイミングって未だに自信を持って歌えないんですけど、流石の本人はミスる気配がなくて格の差を感じましたね。

ライブの特性上、音源秋田さんの同期ハモリは流れなかったので低音ロスが寂しく思える場面も。それは裏を返せば豊川さんの独擅場ということでもあるんですけど!

「リライトできないシナリオ!」
「不景気な地方自治体〜(豊川さんソロ)」
「おばあちゃんかかる特殊詐欺〜(秋田さん参戦)」

特にここやばいです。コーラス任せのメーデーメソッドが炸裂したラスサビが間違いなくこの曲のハイライト。

井手上さんソロのアウトロのぶっちぎり方もカッコよかったなぁ。『数え歌』の次に来るくらい素晴らしいパフォーマンスでした。(音的にエレキギターにも思えたけどそんなことない?)


『夕立旅立ち』

MCではあと2曲だってのと、新譜悩んでるのでこのライブでヒントが貰えればという告白がありました。つまりニューアルバムは来年以降なのがほぼ確定。(気に病むなそれでいい)

だって既に『カシオピア係留所』『アンチノミー』『スワイプ』が内々定していて、チ。の采配によっては更にもう一曲。

それらの共通点を見つけて、そこから更にアルバム曲を新規で紡いで…って素人目線でも無理ゲーに近かったので、そりゃあ秋田さんがお手上げ状態でも不思議ではないのです。

万が一にでも本人が納得できないままアルバムをリリースして、一生ライブで歌われない曲が増えても困りますからねぇ。

欲を言えば全曲新録のリメイクアルバムとか出してほしいところですが、周期的にも普通に「メッセージボトル2(仮)」でお茶を濁すのはアリだと思います。ツアーもやりやすいでしょうし。

それはそうと、やっぱり『夕立旅立ち』っていつもどんなバージョンでも安定してライブ映えしてて好きです。毎年擦ってもらって構わないレベル。

何より井手上さんの三味線で草。クライマックスで激しくなるのほんと草。おかげさまで騒々しい顔面になりました。

けど井手上さんの音色が尖ってる以外は概ね原曲通りに聴こえたので、原曲を聴き直して一番ライブの風景を思い出せる曲でもあります。

ちなみに「あれは三味線じゃない」と訴えかけるバンジョー警察が各地に湧いており、素人にそんなこと言われても…と内心思っていましたが、ご本人の写真ツイートで本当にバンジョーとやらだったことが判明しました。

作曲アプリとかで名前は見覚えあったんですけど、こんな面白いフォルムの楽器だったんですね。

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途中「新しい夢達」ってミスってたらしいですが、残念ながら僕の記憶には留まっていませんでした…。円盤は今年中には出るかな?


アンチノミー

ワンチャン最後まで5人かと思いましたが、そんなことはなく秋田さんのみで迎えたラスト1曲。

MCでは「皆さんにとっては“一アーティスト”かもしれないけど、わいにとっては人生」みたいなことを言い始めて、僕の中の苗木くんが黙っちゃいませんでした。謙虚もつつましさもむやみに過剰なら卑屈なんですよ。

こっちからすれば真逆もいいところ。秋田さんにとって僕は“一ファン”かもしれないけど、僕にとってはamazarashiこそが人生で一番大きな存在なのです。

あとシンプルに“一アーティスト”とか言うので『1.0』が頭をよぎった訳ですが、なんやかんや「生き延びて」に行き着いていつの間にかアンチノミーが確定していました。

⑧『空白の車窓から』
途中まで『アンチノミー』をトリとして考えていましたが、タイアップ色が強すぎる気がしたので安牌にバトンタッチ。

あーセトリ予想の深読みが裏目に出てるー。

確かにライブの〆ではよく「また生きて会いましょう」的なことを言っていますよね。ニーアワールドに向けた「生き延びて 生き延びて 息をするんだ」がここでぴったりハマってくるのは想定外でした。

弾き語りは安定の破壊力で、最後の「感情は持たないでください」からは今日絞り出せる歌声の全てを出し切ろうという気概を感じました。

リリースから時間も経ってつい忘れてしまいそうになりますが、まだこの曲の本業ってまだ終わってないんですよね。アニメ延期するのは構わないけど予定日くらいアナウンスしろやあああ!!


最後の「ありがとうございました。」もやっぱり拍手が被ってよく分からんないことになっていたような。退場テクテクまで見せてくれるのは良かったですね。


終演後に流れ出すBGMも『アンチノミー』でした。携帯の電源をつけた時にはぴったり21時だったかな?


規制退場なしで一斉に帰り出すのを5年ぶりに体験したので、帰り道の人混みが大変なことになっていました。ポストカードのおかげでセトリ撮影戦争が勃発しなくなったのは本当にありがたい。


ライブ後にはひっそりと秋田日記ではなくapologies photosが更新されたそうで。帽子のこっちサイドが時々キラキラしてるのは確かに見えていましたが、マジで金属がくっついていたんですね〜。


まとめ


あまざらし編成や未公開曲まで投入してきた理論武装解除、無観客の強みを活かして視覚的にも魅せてきた末法独唱と来て、正直どうやって過去2回を超えようと言うのかライブ前は疑問に思っていました。

蓋を開けてみれば、秋田さんの技術的な正統進化も予想不能なサプライズの数々も両方味わえるデラックス仕様に昇華されていたと。

おかげさまで異色のライブすぎて、自分の抱いた感情が何を意味しているのか解読するのにすこぶる時間がかかりました。脳の使ったことない引き出しに感想がしまってあって鍵はどこに保管してあるんだみたいな。

そんな風に良くも悪くも、期待していたのとは全く別の角度で衝撃を受けたライブでした。

一つ心残りなのは、ライブ中は雰囲気に圧倒されっぱなしで曲の内容に耳を傾ける余裕があまり無かったことでしょうか。特にやりたい放題だった後半戦は、聴こえてくる歌声や演奏よりも自分の中に渦巻いた衝撃と混乱の方が鮮明に覚えています。勿体ねえ。

事実、例えば幕の上げ下げや秋田さんの暴れっぷりなどには一切言及していませんよね。なぜなら何も覚えていないから。にも関わらず記事の文字数がインフレしているのは何故だろう…。


一方でセトリの印象はといえば、相変わらず“わいの歌いたい歌どんどこどんセット”って感じだったでしょうか。字面で見るよりも深みがあった点は昨年の傾向と似ていると思いました。

また、ロスボツアー以降はセトリ自体の完成度に震えることが多くなり、そういう角度でもamazarashiが既に“1.0”のその先を歩み始めているのをひしひしと感じられます。

中には上擦ってるように聴こえる曲もあって若干気になりましたが、定番曲は揃いも揃って口から音源だったので場数の問題なのかな?少なくとも気合いたっぷりなのは伝わってきたので断じて不満ではなかったですけど。


さて、今後の楽しみはひとまず7月のロスボツアー円盤と8月のサマソニですね。今年もツアーがあるならば、そろそろ青森遠征まで狙っているのでよろしくお願いします。