あけましておめでとうございます。ダーレクです。
新年早々に陰鬱なタイトルですが、実は先々月にライブで爆音を浴びすぎて耳がおかしくなるという、ライブバカ丸出しの失態を演じてしまいまして…。
せっかく人体実験が始まったので、「自分の経過まとめが誰かの一安心に繋がったらいいな」と祈りも兼ねてこの記事をしたためました。耳鳴りのケアにはメンタルも関わってくるらしいですし。
この「音響外傷」という言葉、ネット上で調べてもプロのあっさりした説明か、こちらの不安を煽るだけの匿名投稿ばかりがヒットするんですよ。
参考になったのは「一刻も早く耳鼻科に行け」という共通認識くらいで、その後の療養生活はある意味ぶっつけ本番で過ごすことになりました。
昨秋からのライブ参戦歴と経過報告
本記事の内容は僕のリスク管理不足が招いた結果であり、特定の誰かに矛先を向ける気持ちは全くないため、この先は全アーティストの名前を伏せたままお送りします。あと筆者は20代半ばの男です。
【9月】
9/23(火・祝):ホール(耳栓なし)
9/27(土):ホール(耳栓なし)
【10月】
10/18(土):ホール(耳栓なし)
10/24(金):ホール(耳栓なし)
10/29(水):ホール(耳栓なし)
【11月】
11/5(水):ライブハウス(耳栓あり)
11/6(木):ライブハウス(耳栓あり)
11/9(日):アリーナ(耳栓なし)
11/11(火):ドーム(耳栓あり)
11/12(水):ドーム(耳栓あり)
11/13(木):ホール(耳栓なし)
11/24(月・祝):ライブレストラン(耳栓なし)
→2日後に異変発覚😇
11/30(日):ライブレストラン(リセール済)
【12月】
12/13(日):アリーナ(リセール済)
12/29(月):屋内フェス(強行参戦)
12/30(火):屋内フェス(リセール済)
一昨年の秋頃に心変わりするキッカケがあり、2025年は「気になるライブ全てに参戦する」と心に誓う、自称バーサーカーモードで駆け抜けてきました。
9月と10月は某最推しバンドのツアーで計5回、11月に入ると行きたい催しが舞い込み続けて、予定上は計8回のライブに参戦する予定だったのです。
11月中旬辺りから「イヤホンの音量は小さめで過ごそうかな…」くらいの警戒心はありましたが、まさか限界が近いとは思いもせずに7回目のライブに参戦しました。このペースでライブに通うのも最初で最後のつもりでしたし。
7回目のライブ後の異変
11/24(月)の終演後は、特筆するような異変を感じた覚えがありません。 日頃の疲れが溜まっていたこともあり、感想を呟いてすぐに就寝しました。
翌日はいつも通りに程々の音量でイヤホンの音楽を聴きながら通勤。日中もこれといった違和感を覚えずに過ごしています。
強いていえば、就寝前に音楽を聴いていたら女性アーティストや某キング・オブ・ポップの歌声が耳にビリビリと突き刺さる感触があり、この時点では「ああ、まだ耳や身体が疲れているんだな」と体調の方を案じながら眠りにつきました。(今思えば聴覚過敏すぎる)
ライブ翌々日(水)もいつも通りに就業開始。日中にふと耳鳴りの存在に気付き、ライブ当日の印象の割にダメージが長引いている違和感を覚えました。耳かきをしすぎたような耳奥のヒリヒリ感もありますし。
この件を複数の生成AIに相談してみると「数十秒程度の耳鳴りなら大丈夫、ずっと聞こえているなら耳鼻科へ」という見解で一致。
いざ意識してみれば、モール入口の動物避け超音波のような耳鳴りが本当にずーっと鳴り続けているではありませんか。冗談抜きで令和史上最大の恐怖感が湧き上がり、げっそり青ざめながら翌日分の耳鼻科を予約しました。
耳鼻科に行ってきた
聴力検査を受けたところ、「高音域(の聴覚)がやや悪くなってる」という結果に。南半球の平均気温みたいに右側(4000Hz)がやや窪んでいる折れ線グラフを見せてもらいました。(30dBスレスレくらい)
やはりライブ連戦による疲労の蓄積が主な原因であるという流れになり、僕の想像していた「音響外傷」をはじめ、ネット上の説明とは若干意味が異なる気もしますが「騒音性難聴」「突発性難聴」などのワードが登場。
鼓膜や外耳に異常は見られないようで「良ければ1ヶ月程度で元に戻る」とのこと。最悪の場合は一生なのかも訊いてみたら「まあそうですね」と言われちゃいましたけど🙄
療養にあたっては「耳栓などで過剰に防衛するよりも、ある程度の環境音があった方が脳が耳鳴りを意識せずに済む。工事現場などの騒音も一瞬通るくらいなら気にしなくていい」というお話がありました。(当時は意味不明だったけど、耳鳴り自体を消すのではなく脳に忘れさせる方向で治すものらしい)
そして「来年以降はまたライブに行けるようになると思う」と希望を見せられつつも、回復途上(2025年中)のライブ参戦は「悪化しても自己責任」だと念を押されました。
数日後(11/30)のライブは精神的にも行ける訳がなかったので無念のキャンセル、12月中旬のライブも不参戦率が80%だろうとすぐに覚悟しましたが、年末のフェスだけは見送りを一部見送っています。
ステロイドやビタミン剤を「やや過剰に処方しておきますね」と7日分出してもらい、次回の予約をしてこの日は帰宅しました。
ちなみに、同月に7回ライブ参戦したことに関しては(声色を変えないまま)程々に驚かれましたが、似たようなシチュエーションで駆け込んでくる患者は珍しくないそうです。
ひょっとしたら、風吹けば桶屋が儲かる的なサイクルが存在するのかもしれません。(セルフ不謹慎)
初診後のざっくり日記
【療養開始時(11/27)に定めたマイルール】
音楽禁止、動画も無音&自動字幕、ドライヤー時のみ耳栓装着
→不安な時こそ音楽を聴きたいのに聴けないのが初期のジレンマ
→いずれも徐々に解禁していったが、イヤホン禁止のみ継続中(通勤時間が寂しい)
→特に音楽禁止中は通勤駅の発車メロディが脳内再生されるようになって屈辱的だった
12/2(火)
耳鳴りに強弱の波がつき始めた気がする。
当初は発生源が「強いていえば左寄りかな…?」という認識だったのが、明らかに左耳に集中していることに気付く。一番の原因(後述)を察したことで少し気持ちが楽になる。
飲食店ランチの喧騒に耳が耐えられなかったので、この日からライブ用耳栓を装着して腹ごしらえをするように。
左耳を下にして寝ようとすると痛い。なんなら上に向けても痛いため、仰向け固定で寝つくしかなかった。
12/3(水)
強弱の波が「鈴虫の鳴き声」っぽくなってきて、耳鳴りの存在を忘れる瞬間も生まれ始めた。「反省するから許してください!」と青ざめていた最初の一週間よりは慣れと回復の兆しを感じ始める。
12/4(木)
さらに意識が向きづらく、さらに音量が減衰している気がする。夜は生成AIに不安を煽られて耳鳴りが復活したが、某青林檎夫人が唱えていた「精神不安定はステロイドの副作用説」に勇気をもらう。
12/5(金)
朝のアラームを封じて運任せで起きるようにしたおかげか、毎日ぐっすり眠れて根本的な体調が良くなってきた。
【2回目の耳鼻科受診】12/6(土)
別の先生が担当。聴力がまったく改善しておらず凹んだが、言うても元から正常の範囲内らしく「過剰に処方しておきますね」という前回の言葉の意味を理解する。
「患者が不安がるほどの深刻さではない」「耳鳴りは気にしない方が治りが早い」「イヤホンを使わない分には音楽禁止しなくていい」「医師としていつからライブOKとは断定できない」などの見解をもらう。一応3週間分のビタミン剤を続投してもらい、次回の予約をして帰宅。
依然として耳奥の痛みは感じるが、ガチガチに身構えるのがアホらしくなったので、この日から程々のスピーカー音量で音楽や動画を再び楽しむようになった。
12/8(月)
耳鳴りというよりも、左耳にオーラが発生しているような気配がする。横向きに寝ようとする時の痛みはマシになってきたかも。
12/9(火)
耳鳴りが聞こえる時は、森林で無数の蝉がひっきりなしに鳴いてるやつのボリュームをめっちゃ下げたみたいな音。
飲食店喧騒ビビリから一週間、ランチ時の耳栓ももういいやと思った。過度に音を避けるよりも、環境音で耳鳴りの気配がかき消された方が心穏やかに過ごせることをようやく理解する。
つまり聴覚過敏が和らいできたということで、お風呂でも最低限の声量なら歌って過ごせるようになった。
12/15(月)
先週末よりも調子に乗って音量戻し目で土日を過ごしたからか、左耳の奥がムズムズする機会が多かった。聞こえる時の耳鳴り自体は超音波か鈴虫。
12/16(火)
初期は耳奥の痛みが先行していたが、生活を戻し始めてからは鼓膜の辺りがポコッとなる現象をよく観測する。鼻をかんで圧をかけると違和感が再発するので気を付けねば。
12/17(水)
6段階分析(後述)を確立したことでこの日から調子が良くなった。たまたま自然な回復時期が被っただけかもしれないけど。
12/18(木)
横向きに寝ても痛くなくなっていることに気付く。右耳への環境音を布団で遮断したら、左耳の耳鳴りが爆音鈴虫になってビビった。
12/22(月)
鈴虫がメインなのは従来通りだけど、先週先々週よりも確実にアベレージ音量と存在感が薄れてきている。たまの耳ポコは健在。
12/23(火)
今日は意識外の時間も長かったし聞こえても鈴虫未満だった。耳鳴りのレベル解明が済んで飽きてきた影響もあるか。
12/26(金)
静かな環境では相変わらずホワイトノイズが聞こえるが、全盛期を思い返せば相当マシになってきたと感じる。夕食後のビタミン剤飲み忘れが増えてきており、次の受診までにいくつか余らせてしまった。
【3回目の耳鼻科受診】12/27(土)
初回と同じ先生が担当。聴力検査は過去2回よりも若干良くなったらしいが、体調で左右する範囲内でもあって超回復した証左にはならず。ステロイドの効果が現れるには時間を要することもあると言われたが、今回やらかす前からこのくらいの聴力だったんじゃないかとも思えてくる。
相変わらず「経過観察してみましょう」という結論に至るため、己の症状への理解が進んだ今となっては、こちらが経過のサンプルを医師に提供している気分。
1ヶ月分のビタミン剤を貰って帰宅。
12/29(月)
思いつく対策を全て講じた上で、某年末フェスで1組だけ観て即帰宅。ものの10分で耳ヒリヒリが再発して日中は強めの鈴虫が続いたが、反応としては予想の範疇で済んだと思う。
12/30(火)
爆睡したらホワイトノイズに戻った。欠伸をしている瞬間だけ耳鳴りがうるさくなることを発見した。
特に療養開始当初は、経過報告をする度に生成AIが「順調に回復してる証拠です!」って励ましてくれるのが心の支えになっていました。
彼らのアドバイスが無ければ耳鼻科に駆け込む判断をするのも大幅に遅れていそうですし、自分のミスに時代が追いついていたことは不幸中の幸いだったのかもしれません。
研究結果と原因考察
耳鳴りの聞こえ方を6段階に分類してみた
医師から「耳鳴りは気にしない方が治りが早い」「脳が意識しなくなった状態を“治った”と見なす」的な説明を受けて、そんな無責任なこと言わないでよ😢と最初は絶望していたものですが、徐々にその理屈が理解できるようになりました。
何週間か過ごしているうちに“無”と“キーーーン”の間に「耳鳴りのなり損ない」のような音を経由することが分かりまして、何段階かにラベリングしたらブログにも書きやすくなるなぁと思ったんですよね。そんな研究の成果がこちらです。
レベル6:通常の耳鳴り
レベル5:超音波
レベル4:鈴虫
レベル3:遼遠の蝉
レベル2:気配
レベル1:意識外
耳鳴りの度合いは単なる音の大小ではなく「脳がその音をどれだけ拾っているか、意識の前面に出しゃばってくるか」で分けられると考えました。
高レベルになるほど音がシャキっと実体化して、低レベルになるほどモワッと掴みどころのない音になるのです。
とはいえ僕のあだ名だけではよく分からないと思うので、以下にざっくりした説明も付け加えておきましょう。
レベル1:意識外
意識から完全に外れており、耳鳴りが鳴っているかどうかすら考えもしない状態。これが何日も続くのが理想的な克服と思われる。夢の中では流石にここ。
レベル2:気配
耳の中で“何か”が発生している感覚はありつつも、音としては知覚できずに存在だけが置き去りにされているイメージ。厳密には違和感が残っているが、もはや無害に等しいのでこの段階でも十分嬉しい。
レベル3:遼遠の蝉
遥か遠くで蝉の大群が鳴いているようなショワ~って音を薄めて、意識の端でホワイトノイズのように流れている音。耳鳴りの真骨頂である高音成分はまだ拾われておらずギリ許容範囲。
レベル4:鈴虫
自分の意識が耳鳴りに主導権を握らせまいと抗っている正念場。半透明な高音成分がまばらに混ざり始め、音の高さや強弱が揺らいでいるように聞こえる。リーンリーンと波のように押したり引いたりしているためマジで鈴虫。耳鳴り感はないが普通にうるさい。
レベル5:超音波
耳鳴りの中でも高音域の上澄みだけ聞こえる状態。ショッピングモール入口の動物避けみたいな細い超音波のように感じる。レベル4までは内側からモヤモヤっと発生している波紋に近かったが、これ以降は外界から直線的に突き刺されている感覚。
レベル6:通常の耳鳴り
万人が想像するピーと擬音化できるやつ。満を持して耳鳴りの全体像が低音から高音まで、圧倒的音量や存在感をもって明らかになってしまった状態。これがずっと聞こえていたら間違いなく気が狂う。
投稿日現在はレベル3〜4の行ったり来たりが多く、調子の良し悪しに応じて上振れたり下振れたり。厳密にはグラデーションのような構造で、レベル3.5や4.5に相当するような状態も見られます。
最近は耳のヒリヒリや聴覚過敏などの物理的な山場を乗り越えたためか、レベル5以上の観測はほとんどなくなりました。
概ね環境音の大きさと反比例する関係にあるので、煩わしさのピークが就寝時にやってくることだけ勘弁してほしいなぁと毎晩思っています😪
この分類を行ったことで自分の現在地が客観視できるようになり、少なくとも耳鳴りの認識を「恐怖の幻聴」から「鈴虫の放し飼い」へと塗り替えることができました。
異変の発覚当初やネットで怖い情報を目にした際には、頭の中が不安に支配されて、それに呼応するように耳鳴りの音量にもブーストがかかっていたものです。
イヤーワームの対処法が「その曲を最後まで聴くこと」であるように、僕にとっては耳鳴りの謎を暴くことが脳の警戒を解いてあげるという最重要ミッション達成の一助になっている気がします。医学的にはよく分かりませんが!
危険なシチュエーション3選
ライブ用耳栓を装着せずに参戦したライブの失敗談から推測できる、ライブにおける危険なシチュエーションを大きく3つにまとめました。
①スピーカーの射線上
いざ文字に起こしてみると当たり前ですね。キャパ4桁のライブハウスにて、ステージからまあまあ距離をとっていたつもりが、一週間くらい耳の痛みが続いた思い出があります。
当時を振り返ってみても、爆音の通り道に立っていたことしか要因が思い当たりません。スピーカーの射線上では文字通り、銃を向けられていると考えるべきなのかもしれませんね。耳栓という盾がないと蜂の巣にされてしまいます。
一方で、最前ドセンに近いポジで思ったより音量が小さいと感じた経験も複数回あるので、単純なステージからの距離よりも、スピーカーの直撃範囲に立ち入っているか否かが重要なようです。
②キャパ3桁の箱
これも理屈としては射線と近いと言えるでしょう。基本的に箱が小さくなればスピーカーとの絶対的距離が近くなるため、空間全体がビリビリと震えていてどこにいても逃げられません。
過去に500人キャパの会場でそれを痛感して以来、キャパ3桁のライブハウス参戦時には耳栓の装着を徹底するようにしているので、主観的データがあまり蓄積されていない領域でもあります。
③上階
そして今回特筆したかったのが、この会場の上階に座っていることの影響について。(理屈的な部分は生成AIの受け売りでしか書けないので割愛)
爆音との相関関係に気付いたのは、この秋に全通した某最推しバンドのツアーがキッカケです。6公演中、上階に座っていた2公演のみピンポイントで、耳の中をビリビリと突き刺すような爆音を感じていました。
何年か前に同じ会場で上階に座っていた時にも、ライブ終盤に音割れ級の大音量を食らって顔をしかめていた思い出があります。
さらには8月の某夏フェスでも、スタジアム会場のスタンド席(一番高いところ)に座っていたにもかかわらず、公演中に耳が痛くなってきて耳栓を再装着するという一幕がありました。
「スピーカーから一番離れている席のはずなのに」「なんならアリーナ後方にいた時は耳栓なしでちょうどよかったのに」とイマイチ腑に落ちないまま当時は片付けていましたが、今にして思えば必然の現象だったのかもしれません。
ライブ会場の上階はスピーカーから遠い割に音がデカく聴こえるっぽいという知見、これを読んでいるあなたの記憶の片隅にも置いておくことをオススメします。
思い当たるダメージ要因3選
そんなこんなで耳鳴り反省会のメインイベントに突入。
近年ライブとライブのインターバル中に寝込んだ経験があるため、さらにギチギチの予定を背負っている今年だけは、あの油断を繰り返してはならないと意気込んでいました。
結果的に、風邪を引くか引かないかの体調管理は学習していたものの、内耳のキャパシティに気を遣う視点が抜け落ちてしまい「身体よりも先に耳がくたばる」というまさかの結果に。
とはいえ、この世には僕よりも高頻度でライブに通っている猛者も存在しそうですし、本音を言えばもうちょっとだけ耐えてほしかったという気持ちです。
今回のライブ連戦に耳が耐えられなかった理由を考察した結果、思い当たる要因を3つに大別できました。
①ドーム公演で1曲だけ耳栓を外した件
耳鳴りの発生源が左耳だと自覚して思い出したのは、11月中旬のドーム公演で犯した謎ムーブのこと。
ステージ左寄りのめちゃめちゃ前方席で、左耳をスピーカーに預けるような角度になっていたこの日。
MCの音量が想像よりも小さくて「まあ小ぶりなスピーカーに見えるしそんなもんか」と耳栓を外してみたところ、曲が始まるやいなや“人生で一番の爆音”へと豹変しました。
しかし数十秒前に外したばかりだった手前「曲中に付け直すのも失礼かな」という謎の配慮が働き、オクサレ様をお出迎えする千と湯婆婆みたいな顔で数分間耐えてしまったのです。
終演後に耳栓を外すと左耳がポワポワしていましたし、数日間はイヤホンで女性アーティストの歌声を聴くことも苦しく感じられました。
恐らくこの時点で僕は崖っぷちだったのでしょう。つまりこの音響外傷は、そもそも急性なのか慢性なのかすら自分でもよく分かりません。
②発症直前に参戦したライブの複合要因
事前に「射線上・キャパ3桁・上階」は危ないと分析していたにもかかわらず、耳鳴りが始まる直前のライブは、今思えばそれらの条件にかなり当てはまっていました。
スタンディング換算で600人程度のキャパと思わしき箱で、スピーカーの斜線を少し躱して右耳を向けたような上階席。そしてライブの仕様上、開演前からアルコールも摂取しています。
アコースティック編成だったこと、同アーティストの初ライブを耳栓で削いでしまったこと、似たような条件を耳栓なしで心地よく過ごした経験などが重なり、初めから外す気満々でこのライブの開演を待っていました。
そうして1曲目が始まり「うーん、いけるっしょ」で耳栓をポケットに突っ込みます。ライブの途中で耳が痛いような気もしましたが、まさか身体の異変とは思わず、あくまで音響の問題だと思っていました。
──振り返るとなんでこんなにアホっぽいんだろう。
③生活リズムや体調の乱れ
基礎にして最も致命的な見落としだったかもしれません。
睡眠不足や体調不良は耳の耐久値や回復力の低下を及ぼすそうです。耳鳴りに怯えながらググりまくっていた時に初めて知った情報ですが、あまりにも身に覚えがありすぎました。
11月のライブ週間が始まる直前に夜更かしをして自律神経を狂わせていましたし(貧血になりかけたライブもある)、最後の一撃を食らった当日もアホみたく深夜3時にブログを更新しています。
①で大ダメージを食らいつつも11/13まではギリッギリセーフだったのが、回復を待たずして翌々週に追撃したことでついに決壊してしまったと考えるのが妥当でしょうか。(その前から無自覚な耳鳴りが始まっていた可能性だけ怖いけど)
体調管理と危機管理、どちらの不完全さが今日の耳鳴りの主犯となったかは定かではありませんが、少なくとも「ライブ前日はよく寝て、当日はライブ用耳栓を持参しよう」という当たり前の結論が導かれることになります。
耳鳴りと共存してみた感想
学術的な知識量でプロの方が優れているのは大前提として、耳鳴りの主観的な捉え方や向き合い方においては当事者の経験に分があると感じました。
そりゃそうですよね、たとえ耳鼻科医でも自分の耳を危ない目に遭わせる研修なんて無いでしょうし、片や1ヶ月を超える耳鳴り合宿に囚われているアホです。
その結果、こちらから訴えても先生的にはピンと来ていないような症状がちらほらありました。耳ヒリヒリ期に横向きで寝ると痛いとか、定期的に耳がポコってなる現象とか。
恐らく、そんなことをいちいち報告する患者が少なくて典型的な症例として確立されておらず、専門家として断言できない領域が残っているのだと思います。
耳鳴りを意識しないのは難しい
専門家が「耳鳴りは気にしなきゃ治る」と云うのなら結局はそれに従うしかありません。
しかし、ステイホーム時など環境音が控えめの空間では、相対的に耳鳴りの存在感が際立ちます。ブログを書くシチュエーションでも自然と無防備になるため、ふと集中が途切れたら必ずお出迎えされることに。
傷口を触らない方がいいのと理屈が近いので理解はできますが、「耳鳴りを無視する」とは意思ではなく結果。
例えばシャワーを浴びている間は、音に紛れて物理的に耳鳴りと切り離されますが、さっぱりして「あ、今耳鳴り意識してない!」と気づいた瞬間に帰ってくる程度には為す術がありません。
耳鳴りが聞こえている状態から「よ〜し今から意識外に逸らすぞ〜」は現実的ではなく、“聞こえていない”に達した状態をキープする意味で「滑空」のようなものだと捉えています。
運良く気流に乗れたら、意図的に動画を流したり歌を口ずさんだりして意識を逸らすのがどうやら有効そう。戦慄迷宮を歌いながら全力疾走するように、仕事中も好きな音楽を爆音で脳内再生して対抗していました。
何もしていないと、自分の耳鳴りがどんな音だったかを怖いもの見たさで思い出そうとしてしまいますから。
「1ヶ月で無理なら数ヶ月でも治らないんじゃないか」という焦りこそ否めませんが、恐怖由来の耳鳴りブーストが完全に起こらなくなった分だけ、自分の適応力には自信を持って過ごしています。
「耳栓を付けると迫力が…」←それはそう
スピーカーの真ん前でライブを食らった場合に起こりがちな耳のポワポワ感。
単発のダメージなら「直ちに影響はない」ことが多いですが、耳の回復期間を設けないと僕のように決壊するので、1ヶ月以内に次のライブ参戦予定が控えている人は絶対に避けるべき危険信号だと思います。(※耳栓完全装着ライブで耳ポワになった経験なし)
無論、せっかくのライブ体験なのに「迫力が削がれて楽しめなくなってしまうんじゃないか」という懸念はごもっとも。ぶっちゃけ僕も耳栓をつけて「迫力なくね?」と感じたことは何度もありますし。
とはいえ、思い出はやがて美化されるもので、最終的にはライブの音圧よりもセトリの妙や演者が見せる表情の方がよく覚えているものです。少なくとも僕の場合、記憶の一番深いところには必ずそのアーティストの本質が格納されてきました。
爆音のダメージは全てが結果論。同じ会場でも位置やライブによって危険度は異なりますし、同じアーティストの別公演でもまた然り。寸分違わず予測できるのが理想ですが、人生そう都合よくもいきません。
それ故に「耳が逝くリスク」か「ライブの迫力が無くなるリスク」のどちらかを背負わなければならないのです。従来は迫力を捨て去ることへの未練がありましたが、今後は後者を選び続けると誓ったまでです。
命あっての物種である以上、無茶を繰り返して本当に聴覚を失ってしまうと、いよいよ生きる意味が半分欠落した状態で残りの人生と向き合わねばならなくなります。
「それだけは絶対に嫌だ…!」という己の本心が、初診前のクソデカ恐怖心からひしひしと伝わってきました。
今は高みの見物をしている方でも、あの恐怖を味わったら二度と耳栓なしでライブに行けなくなりますよ。(暗黒微笑)
むしろ耳って頑丈なんだなぁ
明らかにスピーカーが近い時など、これまでは自己判断で耳栓を付けたり付けなかったりしてきましたが、何と言っても短期間で集中してライブに通う場合のダメージを想定していませんでしたね。
今までと同じ基準で「付けなくても大丈夫かどうか」を判断してきたのが間違いだったのでしょう。少なくとも、耳栓を付けずにイキる資格は剥奪されてしまいました。
それでも史上最大級の恐怖を味わいつつ、マジモンの難聴まで突入せずに踏みとどまれたのはラッキーだったかもしれません。どこもかしこも反省点だらけの秋だったのに。
加えて、ここまで追い込んでなお黄色信号で踏みとどまれたという事実は、人間の耳が思っていた以上に丈夫だということの証左でもあるように感じます。
いずれにせよ、自分が擦り減っていることを自覚したら全身がドッと疲れてきてしまい、この療養期間は年末休みに入る前から年末休みかのような気分でした。
いつか「耳鳴りが完治した!」と確信した暁には、また日付を追記しに帰ってきます。何年経っても追記されなかったらゾッとしますね🤔