雨曝しな気持ちは言葉にするべきだ

雨曝しな気持ちは言葉にするべきだ

amazarashi大好き系ブログ

『1.0』に感銘を受けすぎてどうにかなりそうです【魚豊先生もありがとう】

こんばんは、ダーレクです。新年度ですね。


数多くのamazarashiファンが感動に包まれた3月末、僕にとってはドクター・フーのシリーズ8〜10を履修するラストチャンスでもあり、久々に趣味でオーバーヒートする羽目になりました。

The shepherd's boy says……( ゚д゚)

片やイギリス人4年分の衝撃を受けている僕の脳みそに、たった1曲で立ち向かってきたamazarashiの新曲『1.0』が本日の主役です。あの曲は次回です。


実際溜め込みすぎて他にも書きたいことはあるんですけど、とりあえず長いのからいきますか。


『1.0』の先行公開


ラジオが発表された頃は予想外の選曲に喜ぶばかりでしたが、今にして思えば魚豊先生とのコラボから逆算して、というか彼の意向で『1.0』がリード曲に選ばれたのではないでしょうか。

1曲でこれだけ破壊力のある曲ということは、こんなのがアルバム発売まで温存されていたら大変なことになっていました。

だからミニアルバムがいいって毎回言ってるのになー。

youtu.be


ベスト盤とか武道館とか「ざまあみろ」とか「君が好き」とか、毎年「ここまで来たか」と思わされ続けている僕ですが、やっぱり今年もそう思わされてしまいました。

amazarashiにとって「1.0」なんて切り札みたいなもんじゃないですか。そんなん反則ですよ。


しかもタダでは世に出さないのが秋田さんのやり方なのか、蓋を開けてみると想像の斜め上を行く内容だったことにも驚かされています。

自分語りではなくメッセージソングっぽかったのもそうですし、殆どのファンが思い描いていたであろう

0.6→0.7→→→→→1.0

ではなく、どちらかと云えば2進数的な「1」だったのもまんまとミスリードされた気分です。

そうなると「.0」に直接的な役割がないのにわざわざ名付けている辺り、この強調に特別な想いが込められていることには違いないのがこれまた憎い。


感想どばどば


毎フレーズ感想文が始まってしまうので、いっそ“好きな曲シリーズ”のフォーマットでまとめる事にしました。

  • イントロ

最初に感じたのは「イントロ出羽さんっぽ〜」です。とか言って秋田さんのアイデアだったら若干恥ずかしいやつですが、ピアノソロ=出羽さんという思考回路が僕の中にあります。出羽さんの過去の楽曲を聴いたのはだいぶ前ですが、潜在意識に刷り込まれていたのかもしれません。

そして何よりピアノソロ=豊川さんでもあります。これはツアーが楽しみですねぇ。

イントロだけ三拍子なのは『空っぽの空に潰される』以来でしょうか。


  • 1番

あれから色々あったけど こちらは変わらずにいます いつも手紙感謝します

ことamazarashiに関しては渾身のフレーズという印象の強い「色々あった」が歌い出しからぶちかまされています。この曲への熱意がうかがえるようでワクワクさんです。

「手紙」を受け取ったのが語り手なのか秋田さんなのか、送り主は知人なのかファンを指しているのかなど、単語一つで妄想は膨らむ一方です。僕もいつも新曲感謝します。

メロディ面では初期を思い起こさせる所謂“お経”が炸裂。しかしタダでは読まないのが今のamazarashiで、節々にアクセントが入れられていてメリハリが効いています。

少なくともあなたは1です 僕にとってあなたは1です

初聴ではふんわりと引っ掛かる「1」という概念も早速、伏線を張るかの如く登場しています。その真意がサビらへんから徐々に紐解かれていく様も脳汁です。

窓越し木々からまだらな陽光 季節はほとほとせっかちで 酷く焦ってしまうもので
時間は平等と言いますが 平等ほど残酷なものはないですね

「時間は平等と言いますが」のちょっと駆け足で流れ込んでくる歌唱すこすこ。ただし耳コピにすこぶる苦労します。

時折メロディに『鴉と白鳥』っぽさを感じるのはなんなんだろうと思ったら、向こうのキーを+2すると「平等ほど残酷なものはないですね」と「忌々しく睨み続けたから」の部分が似てなくもないです。メロディアスな一面を見せてから低音を聴かせてくる流れも相まってるのかもしれません。

世界に望み託す人には 世界は薄情に見えるものです
どうだっていいか

Bメロでゆったりとメロディアス方面に覚醒するのは『それを言葉という』のようですね。

ところでイラストですぐに答え合わせはできましたが、初聴の「どうだっていいか」はマジで何言ってるか分かりませんでした。どだ低下?

ほんとのとこ後悔ばっかりで 今日も眠れない夜が来て
悔やんでも悔やみきれず 成仏できない想いが
真っ黒な夜に成りすまし 真っ黒に塗りつぶす空に
一粒の星明りだって 見当たらない街の底で

「眠れない夜」は風に流離い、「真っ黒な夜」は帰ってこいよのイメージです。前者は歌詞中に同じ言葉出てきてないんですけどね。

よっこらしょって音程上がってく感じはアルカホールっぽいですかね?基本的に似てる要素を探してみると数年以内の楽曲がヒットするので、amazarashiが地続きに進化し続けている感があって微笑ましくなります。(ちょっと何言ってるか分かんない)

それでもしがみ付く光を 生きていく為の言い訳を
死んではいけない理由を 悲しむ家族の顔とか
掴みたかった憧れとか 希望と呼べる微かなもの
見つかりますように 見つかりますように

サビを聴いて真っ先に思ったのは(希望と呼べる微かなものは)お前だよ!!」です。

「掴みたかった憧れとか」の音程の跳ね方は、すごく「信じてた事 正しかった」に寄り道したくなります。こういう〇〇に似てるって感覚は、その曲に慣れてしまうと二度と体感できなくなる刹那的なものでもあります。もうリタを聴いて数え歌だわぁ〜とは思えないのです。


また、Aメロとサビで見られる1拍だけ空けて入る手法は、地味に『古いSF映画』のサビ以来の激レアパターンだったりします。(ダーレク調べ)

最初にしっかり息継ぎできるからそのまま一息で歌いきっちゃう感じとか、溢れんばかりの感情を無我夢中で吐き出してるみたいで……良いよなぁ。何より8行にわたるクソ長フレーズがサビを覆い尽くしてる感じが鬼リピ欲を増幅させます。


  • 2番

悲観とは未来にするもので そう考えると悲観してる だけましだと思いませんか

「生きる」という前提があるからこそ無い物ねだりとかしちゃいますもんね。わかる。精神的にドMだったら思わずニヤけてしまいそうな思想です。

むやみやたらにプラスを生み出そうとするのではなく、マイナスをとりあえず0にまで導びこうとするのがamazarashiらしいと思います。

「どうにかなるさ」という言葉は 他人ではなく自分に使うものです

「誰にだって辛いことはある」のくだりとは似て非なる歌詞。ポジティブな言葉もネガティブな言葉も他人に押し付けちゃダメだよってことでしょうか。

秋田さんの言葉が「見つかりますように」という極限まで柔らかい表現に留められているのもその姿勢を体現しているようです。あー好き。

他人に期待する人には 他人は無情に見えるものです
勝手にしてくれ

この歌詞はなんだか痛いところを突かれている気がして嫌いです。お幸せにとかGo to hellとか何かしら願わずにはいられないタイプの僕にとって「勝手にしてくれ」のハードルは高いなあ。

季節外れの海水浴場にて 寄せては返す過去と未来
出会いと別れ、光と陰 そんなものと遠く離れて
ただ息をしてたいだけなのに 涙がこぼれそうになって
もう無理かもなって もう無理かもなって

「季節外れの海水浴場」がまずスゴくないですか!?寒い時期の海を見て「季節外れの海水浴場だわー」って思うのは僕には無理です。なのに歌詞として耳に入ると一瞬で情景が思い浮かぶのが謎すぎます。

こういう今まで自分の辞書には載ってなかったけど一発で理解できる言葉を食らって気持ちよくなるのがamazarashiを追いかける醍醐味の一つです。


そんでもって「そんなものと遠く離れて」の「そん」がこの曲の中で一番好きな発声だったりします。「そんなもの」がホントにどうでも良くて一刻も早く遠く離れたいという切迫感が伝わってきます。言うならば秋田さんの歌声は名俳優みたいなもんです。

「も゙う無理かもねって」の濁音もスゴくないですか。何回やっても真似出来ないですよあの「も゙う」は。

それでも逃げ出せない因果を かつての嘲笑も罵倒も
後ろ指差されたこととか 全部帳消しにできるもの
嵐でも折れない旗の様に 絶対的に誇れるものが
見つかりますように 見つかりますように

「嵐でも折れない旗」もまた然り、そんな発想をした事は無かったのに一瞬で意図まで全てがイメージ出来るワードチョイスが堪らんのです。

僕の辞書に載ってなかった言葉2連発もあった通り、どんな歌でも2番は脇道に逸れる印象がありますが、使われる単語の雰囲気が変わってもここまで一貫して伝わるものがあるのはやっぱスゴいなあに収束しちまいます。語彙力。


「絶対的に誇れるもの」はお前だよ!とはちょっと違うのでこれから見つけます。応援ありがとうございます。


  • 3番

友達も学校も 家族も社会も 恋人も 世界との繋がりが煩わしかった
僕らを縛り付けていた無数の糸は 繋ぎ止める為のものだった この世界へと

そしてCメロは安定の羅列シリーズから。多数決とかぼくら対せかいでもお馴染みですね。実家のようなamazarashiです。

そしてここには確実にスプリンターのCメロがいます。「これからもだ スプリンター」って聴こえてきます。キーは3つ違い。

きっと0か1でしかなくて その間に海原が広がり
泳ぎきれずに藻掻いている 生きたがりの亡霊たちが
凍える心に声も無く 消えたい願いすら叶わず
死にたいなんてうそぶいたって 対岸の灯が眩しくて

泳ぎ切ろうとしてる感じから再び『それを言葉という』を思い出したり。

それでも逃げ込める居場所を あなたを呼び止める声を
もうここで死んだっていいって 心底思える夜とか
報われた日の朝とか あなたにとっての1が
見つかりますように 見つかりますように

「どうにかなるさ」って言える あなたにとっての1が
見つかりますように 見つかりますように

例のごとく(僕にとっての1は)お前だよ!!」です。どうしても僕にとっては、最高に良い意味でブーメランが刺さっているように聴こえます。

いくらamazarashiといえど、(いい感じの別歌詞が思いつかない時の落とし所として)2番以降のサビで“歌詞のリユース”をすることは多々あるのですが、今回はそれが殆ど見られませんでした。

唯一繰り返し使われているフレーズが「見つかりますように」なんですよ。どんだけ見つかってほしいんだよ(照れ隠し)


そして“口笛で吹きたくなっちゃう率”が最も高いのが実はアウトロなんですよね。イントロと同じ雰囲気ですよって顔してるのに、秋田さんからのバトンを受け継いできっちり四拍子を奏でてる様子がかわいいと思います。

トリビュートするアーティストが曲者だったらここも三拍子に揃えてきそうっていうよくわからん偏見があります。

1.0

1.0

  • amazarashi
  • ロック
  • ¥255

  • 全体

僕の脳内には星空とウユニ塩湖が広がっていました。

秋田さんの予告(?)通り“いい歌”なんですよね。全体的に歌詞がわかり易いので、物凄いスピードで心に刺さってきます。

初聴の夜は感動が余り余って、中学時代の幼き展望をひっさしぶりに思い出して我ながらキモいメンタルになっていました。


あとは全体を通して主旋律のリズム感が新鮮ですね。お経や上がって下がってが珍しい訳じゃないのにこうもオリジナリティ溢れて聴こえるのは、この独特のリズムが関係していそうです。

最近はキャッチーなメロディ多めになりつつも、こんな風に一癖あるメロディが多い印象です。『鴉と白鳥』も聴いてる分にはすごく感動的なのに、実際には音程大ジャンプしまくっててかなり歌いづらい部類でしたし。

変なメロディと云えば、『帰ってこいよ』のようにある程度は型にハメつつも自由に綴ったおかげでメロディに微妙な違いが見られまくる詩先っぽい曲が僕の好物です。今回はそういうやつが何パターンも聴けて超嬉しい。


…3ヶ月後にはこれを紗幕越しに聴けるんですか!


公式ネタバレいい加減にせい

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歌詞ツイート、歌詞イラスト、ロッキンのインタビュー、音源以外のあの手この手で俺にネタバレ情報を掴ませようとしてくるんじゃねえ!!!!!!


と叫びたい僕がとりわけまっさらな状態で聴きたかった『1.0』と『空白の車窓から』がどちらも先行配信されて流石にびっくりしています。これは紛れもなく不幸中の幸いってやつです。

逆に他曲は最悪バラされてもいいかなと思っていたので、公式Twitterミュート生活もこれにて終わりを迎えられそうです。噂では『アダプテッド』がすんごいらしいですね。


漫画「チ。」とのコラボレーション


いわゆる「相思相愛コラボ」の第3弾。この形はコラボ作品と楽曲の極めて高い親和性&完成度が約束されています。

そうと決まればコラボした漫画を読まざるを得ません。無論、両方を味わって初めて真価を発揮するプロジェクトですからね。

僕は昔から漫画にはかなり疎く、大抵はこういうコラボで初めてその作品の存在を知ります。のはずが「チ。」の試し読みには見覚えがありました。どうやらご本人の固定ツイートを誰かのRTで読んだ事があるっぽいです。

誰だか覚えてないけどあの時RTしてくれた人ありがとう。あれに続きがあって、まさかamazarashiの書き下ろし曲と共に完結するなんて。

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という訳で続きを読みたいのは山々ですが、こういうコラボは作品を知り尽くす前と後でガラッと印象が変わり、2度楽しめる可能性が高いのも事実です。『命にふさわしい』が思いっきりこのパターンでしたし。

“amazarashiの一楽曲”から“チ。のテーマ曲”へと昇華される瞬間を聴き届けたい…!そんな想いで踏みとどまりたくなるのが快楽主義者の性なのです。

という建前が半分で、冒頭のドクター・フーで創作物摂取欲が満たされきっているのもありますね。『1.0』のMVが(誤解を恐れずに言うと)あまり理解できなかったので、そちらの絡み具合の是非も普通に気になっています。


6月の新曲について


じゃあ“1度目”を最速でいつ聴けるのか?という話に移ります。


『命にふさわしい』はほぼ2ヶ月前のCDJ→約1ヶ月前に24時間フル試聴。

『月曜日』は2週間前にラジオ&トレーラー、MVは当日。

6月のコラボ新曲も、2週間前らへんのラジオは堅いと言えるでしょう。


故に焦点は「ラジオより前に聴けるツアーの公演があるのか」ということになります。


今回のロストボーイズツアーは東京がリリース1週間前、次いで大阪・福岡が3週間前となっています。先行公開でインパクトを残すなら少なくともラジオを追い越す必要があります。

多分もう聴いているであろう東京はともかく、大阪以前ではどこから“終演後の曲”として聴けるようになるのか。はたまた初めからセトリに組み込まれていて5月3日の札幌公演が最速となるのか。


ボイコット愛知の『鴉と白鳥』はリリース10日前でしたが、カップリング曲とガチコラボ表題曲の扱いは流石に変わってきてもおかしくありません。それこそ『境界線』は初日からのセトリ入りで余裕の1か月前でしたからね。

そう考えると、札幌での最速公開も無くはないどころか期待していい圏内に思えてきます。まあ僕が参戦決定してるのは東京だけなので本音はそこまで待ってほしいんですけど。笑


ライブと云えば『1.0』が命やみらよると同じ“最後から2番目”の曲ということでツアーの大トリを飾る可能性があります。「見つかりますように」でしみじみ終演するライブもいいですね。


さて、今夜はこれから『空白の車窓から』を聴いて眠れない夜を過ごす運命なのでこんなもんで。