雨曝しな気持ちは言葉にするべきだ

雨曝しな気持ちは言葉にするべきだ

amazarashi大好き系ブログ

『下を向いて歩こう』を聴くことができる当り前に感謝申し上げます

こんばんは、ダーレクです。フラゲ日がやって来ましたね。

先週水曜日に『下を向いて歩こう』が解禁され、その他アルバム収録曲も冒頭15秒が日替わりで公開中。少し前までの静けさが嘘のような緩急のつき方に毎度ながら心が追いつきません。

しかも参ったことに、先行配信直前という奇跡的なタイミングで起こったのが某6人組オンエアの超新星爆発。言い回しをパロったり聖地巡礼をしたりと彼等には愛着があったので、あれから僕の感受性にも未曾有の負荷がかかっています。ひとまず初聴はお昼の12時まで見送られたのでした。

「これが最後かもしれないから 当り前と思うな今が」ってほんとその通りだと思います。去年amazarashiが決断したツアーの延期も煩わしくなかったといえば嘘になりますが、取り返しがついて元の環境に戻れているこの世界線がどんなに幸せなのかを再々認識しました。


『下を向いて歩こう』の感想


アルバムの中では2曲目に位置するということで「永遠市」を案内してくれる楽曲かと思いきや、ライナーノーツにある通り、秋田さんの休養期間の心境を歌うものでした。

こういう“再起の歌”は13曲目『まっさら』が担当するだろうと予想していた僕にはちょっと意外な滑り出しです。


まずこの曲に抱いた感想は「薄味」の二文字。現在進行形で鬼リピはしているので、今のところは疾走感のあるスルメ曲という評価に落ち着いています。

歌詞のクオリティは平常運転だったものの、その影っている雰囲気に反して明るく努めようとするメロディやアレンジの裏切りを一発で理解することが難しく、直感的に響いてきたものが少なかったという理屈っぽいです。

仮に『ナモナキヒト』『未来になれなかったあの夜に』のようなエモいメロディーでアルバムの終盤に鎮座していたら、歌詞の印象は全く違うものになっていたでしょう。


近年、フルアルバムの2曲目では『空洞空洞』『とどめを刺して』『火種』と暗めの雰囲気インパクト爆弾が続いてきました。今作は豊川さんの助太刀もあってスポドリ級の清涼感すら漂っており、いつものアクセル全開の未知とはまた違った期待感を煽っているようです。

というか無難に世界観に引き込むリード曲の役割なら、イントロと第一声を聴いただけでも『インヒューマンエンパシー』の方が適任に感じたんですよね。

それでもリリースに先駆けて歌詞の一部を引用するくらいには『下を向いて歩こう』に思い入れがあるということで、秋田さんの真意を読み解くにはまだまだ時間がかかりそうです。

www.amazarashi.com


この曲では歌い出しから『自虐家のアリー』の面影がチラついたのも印象的です。

「いずれにしても立ち去らなければ 始まりも惨いデターミニズム」って歌えそうだし、なんなら慣れないうちはこのAメロを思い出そうとする度にバンプの『SOUVENIR』が脳内再生されていました。

ちなみに「デターミニズム」という初見ワードは「自分で決めたと思っている物事はすべて始めから定められている説」とのこと。世界分岐ツアーの「賛成も反対も与えられた選択肢でしかなかった」に近しいものを感じます。

眠らせてくれない回想シーンは 「お前が始めたんだ」と笑う

ジュブナイル』のCメロとも共通する、過去の自分の決意に直面する歌詞がAメロでさらっと歌われています。こういう“既存の決めゼリフ”が時を経て序盤に繰り上がる流れは、ライブのセトリが変遷していく様と似ていてウキウキになれます。


サビの入り方もめちゃくちゃ新鮮ですよね。カシピの「このー世にーあるーーー」を彷彿とさせる長い助走をサビ頭からやってきました。

初聴時にはサビが一区切りつきそうな場面で「下を向いて歩こう」が聴こえてきたもんで「あー間奏入るんだなー」と思っていたら、その勢いのままもう1セット始まっちゃうという裏切りに快感を覚えました。感動以外の感情で記憶を消してもう一度聴きたい!と思ったのは地味に初めてかもしれません。

なお、依然として今年のサビはmid2G以下ばかりの控えめなメロディをしています。一方でAメロから高音域で畳みかける構成も増えているので、反比例させてバランスを取る意図でもあるのでしょうか。(?)

「どうせ僕なんか」が武器になった その方法は過去作にある

この歌詞アツくないですか!

「痛みの堆積(自身の歴史)が最初の武器」だと言っていた『カシオピア係留所』も同じアルバムに入っていて、もはや地続きというよりも明確に1の向こう側にいることが強調されているように感じました。


あとラスサビの「上ずる歌唱」もライブ序盤の秋田さんあるあるなので共感できます。(そういう自虐ネタの意図はなさそう)


抽象的なMVは理解し難い定期

youtu.be


これまた手放しに褒めるのが難しい作品が生まれたなあ…と。

『ナモナキヒト』のMVみたいな水溜まりとか、工場の煙とかミニチュアの町とかミサイルとか、今までのamazarashiをリスペクトしている姿勢は随所に感じられます。今日をスワイプでタイムリーなクラゲも泳いでいますし。

ただ、それぞれの映像の一貫性のなさが災いして全体的に何が言いたいのかイマイチ伝わってきません。主人公っぽい女性にも一体何を託しているんだ。


『帰ってこいよ』『アオモリオルタナティブ』など望郷の詩で映像が切り替わりがちなのは、そもそも原曲の歌詞が色んな情景を挙げているからです。

終始同じテーマを歌っているのに映像ばかり右往左往していると、質より量で誤魔化されているようでムズムズしてきます。こちらが解釈する為には、まず確固たるメッセージを受け取らなければ。


例えば「これは映画 じゃなく生活」でフィルムを焼き切る表現はめちゃめちゃオシャレなので、逆に1番と2番のサビの空模様はフィルム越しに映しておけば、ラスサビの覚醒をもっと演出できるんじゃないでしょうか。

とにかくCメロの描写を膨らませて、前半に伏線を撒けばそれっぽくなると思うんですよね。彼女にカメラを持ち歩いてもらうとかで過去を振り返る歌詞との整合性も取れそうですし。


アルバム収録曲を試聴できる幸せ


ネタバレドバドバの歌詞ツイートが撤廃されて、代わりに15秒程度のティーザー映像がちびちび公開されるようになりました。めっちゃいいですよねこれ。

前作「七号線ロストボーイズ」では、フラゲ日に何も知らない状態で聴く完全新曲があまりに多く、後半の集中力を絞り出すのに苦労した記憶があります。今回の試みは心の準備も具体的に行えていい事ずくめでした。

僕自身、一度に大量の曲を試聴して品定めするワクワク感を味わうのは軽く6年ぶりです。どこか懐かしくもある贅沢な時間を過ごしています。


一応、ティーザー映像を聴いた感想メモも記しておきました。ガチ考察とか何もないですけど。

期間からして以下の曲も今の『下を向いて歩こう』くらいの理解度で初日公演を迎えることになるので、ツアーも余裕で新鮮さに満ち溢れたやばい体験になりそうですね。待つ暇もなくて大変だあ。


『インヒューマンエンパシー』

「時に自分を失った気になるよ」ですね分かります。余談ですが短編ポエトリー2曲がいずれも自己紹介系ではなかった場合、CDJで『ワードプロセッサー』が続投される可能性がそこそこあるなぁと思いました。


『ごめんねオデッセイ』

この曲がポエトリーから始まるとは1ミリも予想していませんでした。『それを言葉という』『海洋生命』などのBメロから色づくタイプなのか、はたまた数年ぶりの長編ポエトリーが爆誕してしまうのか!


『君はまだ夏を知らない』

この高さとメロディの雰囲気は流石にサビだと思いますがどうでしょう。サビから始まる曲なのか、1番のサビを切り取ったのか、ガチでこれがAメロというパターンもあるのか。


『俯きヶ丘』

『下を向いて歩こう』で既に俯いているのですが、この曲では何をするのでしょうね。少し前は「色々あったの色々」が擦られていたイメージでしたが、お次は末法独唱に始まった「いつか」の時代が来るのかもしれません。


超新星

えっっっっっっ。サビっぽい箇所を聴かされていますね。「切り倒されて街が出来て」の歌い出し3音好きだったので助かります。ライブで聴けなかったら拗ねます。

もう既にアルバムの統一感は心配なさそうなので、あとは一つ一つがどれだけ神曲なのかという期待が膨らみます。