雨曝しな気持ちは言葉にするべきだ

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amazarashi大好き系ブログ

【行けるとこまで行った】永遠市ツアー名古屋公演などの感想

こんばんは、ダーレクです。


2泊3日名阪遠征を終えて死んでるみたいに眠ってました。ほぼ初めてだった一人旅の勝手は分かったので、来年は青森でも福岡でもどこまでも行けそうです。ばっちこい初日公演。

dalek-amz.hatenablog.com


観光スポットハイライト

大阪城(ホールへの進出もお待ちしてます)
海遊館レゴランド(最大公約数)
通天閣(外国人観光客が特に多かった)
あべのハルカス(例のタワレコにも寄った)
道頓堀(下からグリコ撮れるんだ)
オアシス21(今年も名古屋は一瞬になっちまった)

開演前

これまたちょっと欲しかったC賞


大阪のB賞に引き続き、こちらでもC賞が当たりました。東京の公演にもあと2回参戦予定なんですけど僕の運まだ残ってますよね…?


土日祝の公演に参戦するのは初めてだったので、通常よりも2時間早く開場&開演するのがめちゃくちゃ新鮮でした。だって陽が沈まないうちに入場列に並ぶんですもの。心の準備できてないって。


そうして準備不足のまま入場した僕の座席は1階10列22番。やや左寄りだった大阪から更に左後ろへとスライドした場所ですが、会場の大きさを考えれば相変わらず大当たりの座席でした。(写真は終演後参照)


この会場(名古屋国際会議場センチュリーホール)では大阪と異なり、開場時の写真撮影がはっきりと禁止されていました。

それでもステージ前で撮影禁止のプラカード持ってるスタッフさんごとパシャっている奇人は見かけたんですけどね。そのスタッフさんが直々に注意を飛ばしていましたが届いたでしょうか…。


40分 アナウンス
47分 ギターテスト
55分 再アナウンス


開演前は大阪公演以上に何事もなく、相変わらず5分遅れでライブが始まります。思えば昨年までも朗読タイムが同じくらい食い込んでから開演していたような。もとよりそういう仕様なんでしょうか。

開演時間を過ぎて、一度大きめの静寂を挟んだにもかかわらず結局次のBGMが流れ出すトラップもありました。なんなら大阪でもありました。こっちのドキドキを弄ぶのやめてもらっていいですか。


セットリスト

01. 俯きヶ丘
02. インヒューマンエンパシー
03. 下を向いて歩こう
前口上
04. ディザスター
05. 14歳
06. 無題
前口上
07. つじつま合わせに生まれた僕等(2017)
08. スワイプ
09. 君はまだ夏を知らない
前口上
10. 月曜日
11. 海洋生命
12. 超新星
前口上
13. 自由に向かって逃げろ
14. 空に歌えば
15. 美しき思い出
MC&前口上
16. ごめんねオデッセイ
前口上
17. アンチノミー

終演後:まっさら


大阪公演と全く同じセトリです。今年も本公演の間は形を変えずに駆け抜けていきそうですね。

こうして見ると前口上の間隔が3曲ずつ綺麗に割り振られているので、追加公演でセトリを弄るのも難易度が高そうに感じます。どの曲も映像化を逃すには惜しいので、入れ替えるくらいならノータッチでいてほしいところですが…。


各楽曲の感想


何かと大阪公演との比較を交えてお送りしています。


『俯きヶ丘』

イントロでポトって垂れてくるてるてるが頭に焼き付いています。あとはひたすらゆーーらゆーら。

サビに入る直前のドラムのパンパン!が有り得ない迫力なんですよね。ポエトリー部分が開演前の朗読パートにあたって、ここを境にライブが始まると言っても過言ではないくらいの革命を起こしてくれます。

僕がボーッと見てただけなら申し訳ないですが、今回は紗幕の歌詞ズレは特になかったような。


「ライブツアー2023!名古屋!センチュリーホール!青森から来ました!amazarashiです!」


『インヒューマンエンパシー』

1曲目の感触からしてまたもや声の調子は怪しい…かと思いきや、上ずりの大阪公演とは違って音程コントロールは普通にそこそこやれていることが判明。

初見では大まかなインパクトしか覚えていなかった紗幕について、記憶の整理をつけることもできました。

AメロBメロなど曲調が大人しい部分ではてるてるも大人しくしていて、こちらへの攻撃が始まるのは「今夜ーー!」からなんですね。2番サビに入るまでの両手が垂れ下がってるフェーズが地味に一番キモいと思います。

前面の紗幕に力強く打ち出される歌詞もまるで秋田さんの覇気とリンクしているようですし、文字から滴る塗料に煽られる焦燥感もまた一興。


『下を向いて歩こう』

リハ期間中の怒涛のphotos更新のおかげで、秋田さんの足元がやたらと気になるようになりました。言われてみればこの曲も何かを踏んでから歌い始めています。

全体的には、主にソロで強調して弾きたい時に秋田さん井手上さんが踏んでいた場面が印象に残っていますかね。他の楽器が再合流する際にはもっかい踏んで音量バランスを戻しているようでした。(ド素人並感)

サビでは白いビームが客席をあちこち照らして回る演出があり、時々目に刺さるのがとにかく眩しいし、射線上のメンバーも視界から切り取られるもんで余計なお世話でした。

「じゃなく生活」からラスサビに入るその刹那、アキレス腱を伸ばしながら全力でギターを弾く秋田さんを刮目した僕は思わずセイキンのサムネ顔でリアクションしていました。


『ディザスター』

豊川さんの高音(向いて歩こ〜&ディザースター)が透き通ってる分うっすらとしか認識できないのが勿体なかったです。

という不満を大阪では漏らしましたが、今回は座席のおかげか会場のおかげか、豊川さんロスに悩まされることはありませんでした。丁度いい音量バランス👌

演出面で新たに気付いたのは、ラスサビで出現したマシンガンてるてるの銃撃とリンクして、ステージ周りのライトも客席に向かって連射してきている点。

2枚体制で進行する紗幕の使い方もひたすら秀逸ですし、もしかしたら5周年の3Dライブより3Dしてるんじゃないですかね?笑


『14歳』

相変わらずこの曲は終始安定していたので特筆すべき感想がありません。大阪と同じくロングイントロで始まり、「灰の歌〜」もラスト以外は原曲通りの低音でした。

紗幕の“憂鬱”と書かれたカラスの絵がファンアートチックな雰囲気だな〜と思ったことを、帰りに栄駅の広告でravenと空耳して思い出しました。(謎報告)

パフォーマンス以外で気になったのは、天井でガッツリ反響する会場の構造上、イントロなど音に余白のあるタイミングで上からやまびこが降ってきたことですかね。盛り上がってきたら別に気にならないんですけど。


『無題』

演奏前の静寂に女王蜂『BL』のイントロ1音目みたいな♪が漏れました。(ギタチェン秋田さん?)

「桜模様の便箋が愛おしい♪(豊川さん)」←ここ美しい

既存曲は秋田さんの安定感を楽しむ時間です。ラスサビの歌い出しでは、視界の開ける紗幕に釣られて身体中の鳥肌が天保山公園の大勢の鳩みたいに一斉に飛び立ちました。

強いて言えばラスサビ最初の「信てた事 正しかった」の最高音が裏返りかけていたのだけ覚えています。


『つじつま合わせに生まれた僕等(2017)』

今回はこの曲の紗幕がイントロのメトロノームで先走っていてヒヤヒヤしました。歌い出したらズレが分からなくなりました。

1番のサビがとびきりの涙腺ポイント。純粋に曲が好きなのもそうでしょうが、歌詞を分かりやすく視覚化してくれた紗幕に煽られている部分もありそうです。

「善意で殺される人」
「悪意であく………………(フリーズ)
「傍観して救われた命」

1番を終えての間奏では、ドラムと連動した光リズムが虹色に彩られていました。ここって大阪では真っ白でしたよね?

というか初出の虚無病ライブが白かったのは確かなので、それとは異なる演出に違和感を覚えたこの日が特別なはず?東京でまた確認します。


『スワイプ』

本日のラスサビ
「リライトできないシナリオ!」
(おもむろにマイク近づく)……たーい」
「おばあちゃんかかる特殊詐欺」

秋田さんが戻ってくるタイミングってその日の気分なんでしょうか。聴いている側としてはおばあちゃんまで潜んでいた方がキリがいいと思うんですけど。

「今日をスワイプ!」のクライマックスにて、ルミナスレイみたいに縦横無尽にピュンピュンする照明の演出が記憶に残っています。

アウトロを潰れたおならの音(褒め言葉)で締めくくる井手上さんもライブの醍醐味なので助かります。


『君はまだ夏を知らない』

モノクロ線画てるてる見参。絵日記演出は2番からなんでしたっけね。

背景てるてるの不鮮明さと挿絵の拙さが掛け合わさると、ラスサビの歌詞にある通り「歌い手自身の思い出」の成分がいつもより染み出してきて、僕への聴こえ方もまた変わってきました。

歌詞ミスや音外しもなく、アツい曲ではなく温かい曲なので、この曲に包まれている間はもっぱらコンサート気分です。


『月曜日』

1番のサビで「息苦しいのは ここが生k………ではないから」と露骨にスキップしていましたが、何故かその前から歌詞が飛ぶ予感がしたのを覚えています。曖昧な歌い方だったんですかね。

Cメロの「おそらく僕で」も貧血で保健室に運ばれる直前みたいな頓珍漢な音程をしていました。

音響はちょうど良いバランスで最高なんですけど、この曲をよりエンジョイできたのは流石に大阪の方だったかなと思います。


『海洋生命』

イントロから僕の目に焼き付いたのは、9代目ドクターの有名(?)なGIFのごとく横ノリの豊川さん。サビのハモリ声も格好良すぎて、もはやサングラスをかけていないのが不思議なくらいでした。

2番Aメロで後ろ向いて好き勝手やっていた井手上さんが次点でキテます。出羽さんから引き継いだばかりの頃はアクティブな弾きっぷりが違和感MAXだったんですけど、見せ場が設けられるようになって以降はライブのアクセントとして楽しみな存在になりました。

秋田さんの歌声成分をオーバードーズできるラスサビの歌い出しも沁みますね。いつもより前面に押し出されている感覚がありました。

大阪よりもスピーカーに近い席だったんですけど、あの時のように音圧バーストに悩まされることもなく快適にブチ上がれたと思います。


超新星

鳥肌の発生回数が圧倒的に多かったです。そりゃあアルバムで一番好きな曲ですから。

「失ったらもういいぜ」の脱力感を特に推してるんですが、最近は条件反射でBメロに入ったらへんから鳥肌が立つようになりました。「行けるとこまで行く」がマジで絶叫マシンの頂点。

以前から死ぬほど特別視していたわけではない『つじつま合わせに生まれた僕等』が二番目に鳥肌曲だったのは、この曲とメロディが部分的に似ているからという仮説も立てているくらいです。(己の鳥肌事情しか語らない奴)


『自由に向かって逃げろ』

前口上の「自由に向かって!」から繋がる、クソデカドラム達の奏でるイントロがまるでライブの〆の1曲のようでお得な気分になれます。

「幼い日の化け物屋敷」の後の化け物風リリックの中から次の歌詞が出てくる、『空洞空洞』の紗幕みたいな表現がホントに置き去りにしてきたみたいで結構好きです。

大阪の僕は不満気な感想を垂れていましたが、今回は音程などの違和感もなく没入するばかりだったので歌い方やアクションの細かい部分はあまり覚えていません。

ギターを弾かなきゃならないからか、こっちが期待していたよりもサビで秋田さんが動かないのは『抒情死』と似ていますね。


『空に歌えば』

開幕サビ後の間奏で秋田さんが甲本ヒロトばりの足さばきで暴れかけました。楽しそうで何より。

調子も出てきて音程も9割方合ってたなあってくらいには安定していたと思います。


『美しき思い出』

『14歳』やら『無題』やらこの曲やら、作り込んだ前紗幕だけで勝負する楽曲では秋田さん達の姿が見えづらくなるという欠点があります。去年の『1.0』もそれだけがネックでした。

アウトロ後の「おーーーーーーおおーーーーーーーーーー(hiAロングトーン)」を尋常じゃない声量で伸ばし続けていたのがハイライト。その喉で『アポロジー』の再演もいつか必ずお願いします。


MC

例のごとく一言一句は覚えてませんが、控えめに言って激レアMCでした。「2公演目もはしごしちゃえ」という僕の英断はこの為にありました。

秋田さん「さっき『美しき思い出』やっててタケと目が合って、すごいグッと来たじゃん?(タケさんの方を振り返りながら)」
豊川さん「っふふ(笑)」←!?

豊川さんの笑い声がマイクに入ったんですよ。本当にあの声で笑うんだ……と当り前に感動していました。いつかお二人の掛け合いMCが定番になってくれてもいいんですけどね。

その後は「走馬灯みたいで今日はそれだけでいいや、名古屋今年も来られて良かったです、ありがとうございます」って感じにパパっと締めて、(こっちから見て)マイクの右側で深々とお辞儀をしていました。そういえばそんな光景も珍しい気がします。

観客の拍手がやけに長かかったのは気のせいじゃないでしょう。

(ごめオデ前口上スタート)


『ごめんねオデッセイ』

そのドーパミンの勢いで物凄い迫力のポエトリーリーディングでした。

ギター担ぎタイムを兼ねた3番前の間奏では、アドリブ的にマジで好き勝手弾く井手上さんと、ついでに水分補給していく秋田さんを同時に楽しむことができました。

景気よくぶちかましていた秋田さんも、流石にラスサビの「あの春眩い」で喉にガタが来たようでしたが、すぐに調子を取り戻し「木漏れ日をーーー(1回目)」に入る全力のストロークでは、勢い余って腕を一周させる姿を観測。歌うだけでは消費が追いつかなそうな程にエネルギーを持て余していました。


アンチノミー

前口上「生き延びて!」から一瞬の空白を経て本イントロに入るという急→緩→急がイジワルなアトラクションです。

そういえば1番のてるてるは白い布を被ってリィンカネのママ風でしたっけね。この時点では何者かよく分からなかったのが、2番に入ると機械生命体の人形劇になっているという。

2番前の間奏では、秋田さんも「壊レタヨルハ」に1回だけ参加している姿も。なんならあれは暇つぶしに見えました。笑

この曲も音程がいい感じだったので観ている側も遺憾無くカタルシスを発散できて、歴史を振り返った中でもかなり理想に近い『アンチノミー』だったと思います。

モザイクを習得しました

まとまらないまとめ


大阪で頻発していた「上ずる歌唱」はほとんどなく、全体的に音程のコントロールはかなり安定していました。『ディザスター』や『超新星』の低音も綺麗でしたし。

反対に最高音がお疲れ気味っぽかったので、気張り損ねて微妙に届かなかったシーンはちょこちょこありましたね。

歌詞ミスのボリュームも今回に軍配が上がります。大阪は『美しき思い出』『ごめんねオデッセイ』でちょこっと噛むくらいだったのが、今回は少なくとも『つじつま合わせに生まれた僕等』『月曜日』の2曲でガッツリ気まずい時間が流れていました。


今回はライブの感想が激遅だったのもあって、一週間前には「秋田さんがやりたいだけだろ」と決めつけていた既存曲も、セトリを再現して聴き込んでいるうちに各々の共通点が見えてきました。

「季節が留まり永遠ならいいな」と「永遠なんてないと知って誓った」を繋ぐ前口上が特に芸術的で、その後の唐突な『海洋生命』にも「普通にも当たり前にもなれなかった僕ら」を想起させるフレーズが潜んでいます。

つまるところ「居場所がない」という居場所に住まう“相対性人”を指しているようで、心のすれ違いという意味では『無題』にも近しいものを感じます。


他にも『自由に向かって逃げろ』と叫んだ勢いのまま「それ故、足掻け」と歌う『空に歌えば』に持っていく構成にも、火種が結実した瞬間のようなロスボツアーのそれとは趣向の違う爆発力があったりとか。

『美しき思い出』もよく考えれば「美しい過去を持てなかったインヒューマン」を掘り下げている風に捉えられますし、その延長線上に『ごめんねオデッセイ』の決意が置かれているのも、曲を書いた張本人ならではの思考回路が垣間見えて面白いことになっています。


などなど考えようは色々あって、今となってはアルバム本体よりも「永遠市」を強く感じるセットリストとなってしまいました。『ディザスター』が4曲目で『ごめんねオデッセイ』が終盤に待ち構えているのも解釈一致だし、逆に何故アルバムではあの曲順だったのかという理由を探す旅が始まりそうな予感。笑

何にせよ、まだまだ味わい足りなくて楽しいアルバムなのは確かです。次の公演でまた心境の変化が生まれるのかにも注目しています。