ご無沙汰してます。ダーレクです。
少しブログを離れていたらきっちり書き方を忘れてしまったので、まずはウォーミングアップがてら2021年5月上旬の僕が語りたい10曲をご紹介します。
例のごとく最新アルバムの新曲は対象外です。でも『馬鹿騒ぎはもう終わり』を褒めちぎる記事は近いうちに出すと思います。
- 01. 真っ白な景色
- 02. この街で生きている
- 03. ドブネズミ
- 04. ぼくら対せかい
- 05. ジュブナイル
- 06. アポロジー
- 07. 帰ってこいよ
- 08. 抒情死
- 09. 積み木
- 10. 季節は次々死んでいく
01. 真っ白な景色
これから夏も始まろうってのに冬の曲かよ!とか思われそうですが、最近はどうも“ほのぼの系”がマイブームのようです。
そんな時にぶつかるのが「amazarashiはメッセージ性の強い曲ばかり」という問題。落ち込んでいる人を心底励ましたり、世界を皮肉ったり、物語に入り込んだり……。
その圧倒的聴きごたえがamazarashiの魅力の一つではありますが、もうちょい気楽に聴ける歌が恋しくなる瞬間があります。
って書きながら紹介しちゃうとこの曲が薄っぺらいみたいですがそうでもなくて、むしろバックグラウンドも併せれば意義深い決意の歌だったりします。(秋田日記2020.10.27参照)
決して終わらないと 思ってた事が
気付いたら終わって いたりするからさ
持て余した情熱も 傍にあった笑顔も
もっと大切に しなきゃいけなかった
この歌詞を見る度に過去を羨んでばかりだった僕も、新生活が始まってからは“持て余した情熱”とか“傍にあった笑顔”とか、少なからず今あるなぁと感じるものをどう生かすかという考え方に変わりつつあります。大人になったね。
「終わりと始まりで物語りは進む」って歌う歌もあるし、ここらで15年前の秋田さんみたいに歩き出してみようかなと思う最近です。
02. この街で生きている
秋田さんが友達に向けて歌った歌だそうですね。amazarashi全体で見ても旋律の美しさは最上位クラスだと思います。
中でも特に好きなのは弾き語り版のイントロ!虚無病ライブの初回盤に収録されているので全人類に一度は聴いてみてほしいのです。“日が沈んだ後に同じ歌を歌ったらこうなりそう”を体現しています。
twitter.com好きなイントロランキング(弾き語り)
— ダーレク (@Dalek_Adipose) 2021年4月20日
1位 馬鹿騒ぎはもう終わり
2位 この街で生きている
3位 つじつま合わせに生まれた僕等
空白みたいな 何もない空を ずっと眺めていたら
全部がもうどうでも いいやって思えて来るんだよ ちっぽけな悩みも
僕が生まれた 僕が生きてる 街の空
口ずさむとなれば決まって最初のこのフレーズです。ここだけ歌って満足して終わる事も多いくらい。
この部分をオク上で歌う秋田さんをよく妄想しています。ハルキオンザロードの「僕らの別れは最初から決まっていた」みたいにラスサビ直前にあったらいいなっていう妄想。
03. ドブネズミ
曲自体は5分あるものの、実質的に2番までしかない異色な曲。謎に良いメロディをしているのでたまーにどうしようもなく聴きたくなったり。
全力でブルーハーツを意識した「抽象的だけど、なんか、こう、わかるじゃん」って言いたげな歌詞がとにかく新鮮です。
言わずもがな、千分の一夜物語や季節は次々死んでいく初回盤に収録されている『リンダリンダ』冒頭の一節を引用するアレンジは必見です。秋田さんが何かに影響を受けている様を一番ダイレクトに感じることができます。
人を信じる事 諦めちゃいけないよ
それが最後の絆 この世界との きっと
『Lifestar vista』でも印象的だった他人を信じようとする行為。最初期のamazarashiは今よりも愚直に希望を持っていた風に見えます。あ、最初はSTAR ISSUEだったのか。だからか。
04. ぼくら対せかい
秋田さんの記憶をガサゴソしながら最終的にふと我に返ってまた日常に戻っていくみたいな、不思議な歌です。過去を掘り返す系ならば『ハルキオンザロード』と似ているはずですが、こっちは美化されていないためか印象は随分違いますね。
5億年ボタン押したり無領空処食らったらこういう瞬間に出会いそうな気がします。
てか秋田さんの頭の中を覗いて何かを受け取るだけの6分間なので、これといった感想を吐き出すのがかなり難しい。
05. ジュブナイル
amazarashiの数ある応援歌の中でも、元気が貰えるといえばこの曲。『あんたへ』や『フィロソフィー』よりも立ち直ったところで聴きたくなります。
そう思わされるのは、恐らくその2曲よりも描かれる闇が抽象的だから。つまり一歩間違えれば“薄っぺらい”と言われかねないラインです。それを払拭できた所以はその表現方法にあると思っています。
↓ここ好き
そこから一歩も動かないのなら 君は「侮辱された人間」だ
そこから一歩歩き出せたら 君は「負けなかった人間」だ
「〜だ」という断定の多さが一つの大きなポイントですね。こんなに自信持って言われたら少しだけ信じてみたくなるじゃないですか。
“ETHOS” “LOGOS” “PATHOS”で言うところのPATHOS(感情に訴えかける作戦)が有効に使われているように感じます。
ちなみに他2つはETHOSが「秋田ひろむ自身の説得力」、LOGOSが「歌詞の中身」ってとこです。この例えをブログで使う日が来るとは思わなかったなぁ。
ライブ映像もまた優しめな「虚無病」、引くほど絶好調な「MIDNIGHT SONIC」で二度美味しくなっております。理論武装解除の弾き語りも秋田さんの裏声が映えまくってていいぞ!
06. アポロジー
amazarashi屈指のツンデレ曲。天下のamazarashi様が謝ろうとしているのが不自然だと受け取られるのか、ファン投票などでは殆ど顔を出さない印象があります。古参ファンのブログでボロカス言われてるのを読んだ事もあります。
幼い頃の約束は 大人になった今も有効ですか
明日から生まれ変わるから そう言って今日に至りました
等々ギクッとさせられる秋田節は健在ですが、確かにいつになく弱気なフレーズが並んでいます。
ただ、秋田さんにこんな事考える時期があったんだと思うとかわいくないですか。
amazarashiの作風が柔軟になってきたのもこの辺りからですし、思春期みたいなものなのかなぁと勝手に解釈しています。
ちなみに僕も最近気づいた話ですが、最後の「おーおおーおおーーーー゙ーーーー」の最後の最後に伸ばしてる部分、前半と後半で声色がガラッと変わっています。あと一息持たなかったのか無理矢理絞り出した歌声を堪能することができます。ホントに一瞬ですけどね。
『さくら』のフィナーレに次ぐあまざらしっぷりは必聴です。
07. 帰ってこいよ
Aメロ、歌い出しから神曲のオーラが漏れています。こんなにもゾクゾクするのは独特のメロディか、6/8拍子から溢れんばかりのリリックか、それとも秋田さんの低音なのか。
冒頭からこんなん聴かされたらこの先どうなっちまうんだ……。
なんて期待してたらサビのメロディ指数が急にあいみょん。
でも気持ちが伝わってなんぼの曲なのでサビをド王道にして歌詞を聴かせるのは正解だと思います。文字数も詰め込まれているし。
この町が嫌いだとみんな言うが 早く出ていくんだと決まって言うが
帰ってこいよ 何か成し遂げるとも、成し遂げずとも
この曲を初めて聴いたのが留学先の田舎町で、当時は青森の秋田さんに強く共感できる歌詞でした。同じものを東京で聴くとちょっとヘンな感じ。
そういうの抜きにしてもグッとくる瞬間はあちこちに散りばめられていて、特に2番Aメロの後半部分が一推しポイント。
「信頼出来る人が傍にいるならいい」→「孤独が悪い訳じゃない」→「すがるものは多い方がいい」と歌うトーンが段々と下がっていくのが尚更リアルに感じさせられます。って当時も書いた気がするけど。
08. 抒情死
イントロの煩さも相まって、始めはボイコット内で一番どうでもいい曲でした。
それがいつの間にか歌詞のamazarashiらしさとサウンドの奥深さで、アルバムトップクラスに好んで聴くようになっているのだから面白いもんです。
テーマとしては『爆弾の作り方』『ワンルーム叙事詩』など初期の内に秘めた想いをぶちまける曲と似ていると思います。それを2020年の秋田さんなりに発散させたらこんな感じなのかなって。
『とどめを刺して』なんかもそうですが、今は完全に“あなた”に向けて歌われています。
形と中身 私の私
ここの“Cメロ第二形態”感がたまりません。同じフレーズで徐々に熱を帯びていくパターンは「桜」ぶりくらいでしょうか。とてもライブ映えしそうです。
09. 積み木
ちゃっかりEPの収録曲。正式にリリースされる前は『Lifestar vista』と同時期に発掘されていましたね。こちらは歌詞がひねくれていないのが新鮮で好んで聴いていた記憶があります。
STAR ISSUE版では美味しいところをピアノに任せっきりだったイントロ、技術の向上かギター1本で表現できるようになったのがまずエモいです。その分ジャカジャーンは削られて更にしっとりした雰囲気になりました。
少し上手く行かなかっただけ
僕等はそれにただ泣いただけ
虚勢が滲み出ているこの歌詞は今のamazarashiではもう書けないように思えます。少なくとも「僕等が泣いた」とは言わなそう。インディーズ時代の優しい曲ならではの独特な共感ポイントです。
僕の記憶では末法独唱の積み木が更にやばかったので、何が言いたいかというとブルーレイ届くのがめちゃめちゃ楽しみだということです。
10. 季節は次々死んでいく
昨日の今日で入れざるを得ないくらい聴きました。何故かここだけTHE FIRST TAKEの感想を書いています。
良くも悪くも口から音源で末法独唱と一緒でしたが、代わりに視覚情報がかなり面白かったです。
(というか逆に考えれば末法独唱の促販で出演した可能性が微レ存…?)
顔だけベンタブラック塗ったのかってくらい綺麗に真っ黒だし、フィロソフィーMVのような横顔シルエットの口元をまじまじと見つめる7分間。
輪郭周りのおじさん具合とか手先は普通にカッコよかったりとか、いつもと違って明るい場所での映像だったので思わぬ発見が結構あるんですよねぇ。
そもそも弾き語り季節の公式映像がYouTubeに載るのが初だし、amazarashiの看板曲を今一度押し出す機会が貰えたのは一ファンながら嬉しく思います。
次回は無難に『令和二年』でしょうか。それまでもう暫くリピートすることになりそうです。