こんばんは、ダーレクです。
本日、2020年6月9日は「爆弾の作り方」リリースからちょうど10年。
amazarashi!
メジャーデビュー10周年!
心の底からおめでとう!
今回は最大限そんな気分でお送りします。
僕にとってamazarashiに感謝を伝える表明の手段は唯一、ブログを書く事です。とりわけ空気の読めない僕はバリバリに言葉を取り戻した状態でこのシリーズを更新していきます。笑
約半年に一回ペースなのにもう四回目という事実に時の流れを感じますね。(鮮度が命ってマジでなんなの)
dalek-amz.hatenablog.com
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相変わらず新曲を含めるとアルバムレビューになっちゃいそうなので、今回は2019年までにリリースされた楽曲を対象としました。
一方、今回は第二回と第三回では殿堂入りとして封印されていた『パーフェクトライフ』『ハルキオンザロード』を解禁しています。今まで変に縛っていたせいで語る機会が全然ありませんでしたからね。
「ボイコット」のリリースで盛り上がった2020年も気付けば半分近くが終わってしまいました。胸を張って思い出と呼べる思い出、今年は成人式しかなかったかもなあ。
僕がいつにも増して情緒不安定なのもあってか、過去一変動の激しいラインナップでした。それを勝ち抜いた分、前回までよりも一曲一曲への想いは強くなっているはずです。
- 01.夏を待っていました
- 02.爆弾の作り方
- 03.ひろ
- 04.アノミー
- 05.性善説
- 06.リタ
- 07.たられば(POETRY READING)
- 08.命にふさわしい acoustic version
- 09.パーフェクトライフ
- 10.ハルキオンザロード
- 殿堂入りとは
01.夏を待っていました
10年前の今日発売された、メジャーデビューアルバムのリード曲。出会った頃を懐かしむ気持ちで聴いてたらなんだか感慨深くなっちゃってトップバッターです。
印象的なフレーズと言えばやっぱり「そんな勇気なら無いほうが良かった」ですが、今回はあえて別の歌詞について。
体育と部活が何より苦手な靖人は とうとう膝を抱えてこう呟いた
「僕はいつも皆に置いてきぼりで 本当にダメな奴でごめんな」
僕らはなんだか笑ってしまった つられて靖人も涙目で笑った
子供という生き物は近くにいる人と友達になります。その人の優劣はもちろん関係なくて、多分いい意味で「サッカーうめー奴」「足おせー奴」くらいの認識しかないのだと思います。
特に小学生の頃は偏差値とか運動神経とか、下手したら性格も全然違うのに仲良しだった人って思い返せば何人かいるんですよね。鬼ごっことDSで皆友達。未来のヤンキーともよく遊んでいました。
よっっっぽどの事がない限り、どういう属性の人間でも結局はクラスに馴染んでいた印象があります。
そういえば嫌いな人どころか苦手な人もほとんどいなかった気がするなぁ。
変な話、子供の頃は社会不適合度も成熟しきっていなかったのかもしれません。それともシンプルに性善説でしょうか。
02.爆弾の作り方
こちらは堂々たる表題曲。昔は「ねえママ あなたの言うとおり」初回限定盤に付いてるライブ音源をよく聴いていました。
行き場の無いイノセンス イノセンス 今に見てろって部屋にこもって
爆弾を一人作る 僕らの薄弱なアイデンティティー
ひび割れたイノセンス イノセンス こんなんじゃないって奮い立って
僕は戦う つまり それが 僕らにとって唯一の免罪符
十万行の自分語りはここでは控えるとして、
「amazarashiがあんまり必要ない瞬間を感じるようになった」とほざいていた頃は“あんまり必要ない歌”だったはずが、心なしか明るい歌が空虚に聴こえてくる現在はこの戦い方に強く共鳴しています。
歌詞だけ読むと悲痛な叫びなのに歌声がとても優しくて、ちょっと落ち込んでるだけの時もくたばってる時も心の埃をそっと取り除いてくれる、amazarashiの信念を体現したような一曲です。
03.ひろ
今は亡き秋田さんの元バンドメンバー、ひろさんに宛てた歌なので、そもそも僕が気安く共感できるような歌詞ではありません。
そこで僕は“19歳の自分へ宛てた懺悔の歌”という身勝手な独自の解釈でこの曲を聴いています。そうやって自分を重ねた途端にめちゃめちゃ好きになりました。
あの日と同じ気持ちでいるかっていうと そうとは言い切れない今の僕で
つまりさお前に叱って欲しいんだよ
みらよるでいう「あの日の情熱の火はいずこ」状態です。
必死で夢中だった頃の自分に「おい、俺との約束はどうしたんだよ!」って背中を叩いてもらう情景を思い浮かべてます。
にしても越えていかねばならない過去に励まされるのを待っているとは何とも情けないですね。むしろガッカリさせてしまうんじゃないでしょうか。(自戒)
でもお前の居ない世界でも なんとかなるもんだ
それが悲しい お前はまだ19歳のまま
「お前の夢、裏切ってごめんな」って未来になれなかったあの夜に申し訳なく思っているような、
理想の成れの果てみたいな人生でも取り立てる程不幸ではないのが逆に無情さを感じて切ない、みたいな受け取り方をしています。
涙腺に訴えかけてくるメロディーが反則です。
やりたい事をやり続ける事で 失う物があるのはしょうがないか
やりたい事も分からなくなったら その後におよんで 馬鹿みたいだな
これもまた「あの日の情熱の火はいずこ」に近しいですね。
やりたい事どころかやる事すら失いつつあるこのご時世、僕はamazarashi愛を吐き出す以外のやりたい事がほとんど無くなりました。
僕の人生とリンクしてる感覚すら覚えて溜め息が出ますが、どうせ気が狂うなら変な検証して変な記事でも書いてやろうと思います。
…長々とだいぶ独りよがりな解釈を失礼しました。
いずれにせよ、この曲が僕死と並んで他のアーティストにカバーされがちな理由が少し分かった気がします。
人それぞれの観点で感情移入ができる歌です。
04.アノミー
昔から常々思っている事なのですが、この曲の歌声だけ異彩を放っていませんか?
同時期の他楽曲よりも悲愴感を更に煮詰めたような雰囲気を感じます。
愛って複雑な物なんです なんて歌ってる馬鹿は私だ アノミー アノミー
そんなら この神経過敏な愛で 救えた命はあったか? アノミー アノミー
救ってよ
この世に蔓延るクソみたいな愛を皮肉ってきた主人公が、最終的には己のスタンスに疑念を抱き始めてしまいました。自分でも訳わかんなくなっちゃってますね。
そして誰に届くでもない「救ってよ」という悲痛な叫び。
『穴を掘っている』では希望を暗に含んで、『ラブソング』では開き直って曲が終わりますが、この曲はどんな色の光も差し込まず終い。強いていえば「救ってよ」と歌うことに一縷の望みが託されているのかもしれません。
愛の汚い部分を描かれる度、僕は「青森唱歌」の初恋のくだりを思い出して胸が苦しくなります。
リア充の皆さんはどうか恋人を大切にしてあげてください。それだけは絶対的に正しいはずですから。
ところで虚無病ライブで詩の朗読からイントロのようなものが流れ始める演出がとても好きでした。今後も小説ライブがあるとしたら是非取り入れてほしい流れです。
05.性善説
“ママ”に価値観を押しつけられて育ってきた僕としては妙な親近感が湧いている歌です。
寝ぼけ眼でテレビをつけて ぼやけた頭に無理矢理流れ込んだ
殺人だ強盗だ人身事故だ 流行だアイドルだ もう うるせえよ
人心地つける余裕もなく 僕らの日々は流れに摩耗して
明るいニュースを探している 明るいニュースを探している
先日、Instagramのリア垢で#BLACKLIVESMATTERが回ってきました。なんでそんな馬鹿な事件が起きるかなあ。平穏に暮らすくらい出来ないもんかなあ。とか色々考えててふと思い浮かんだ言葉が“性善説”です。
根っからの悪者がいることを知ってしまった今の僕からしたら、性善説を唱えるのも一周回って自己中みたいなもんなんですが、
そういう奴等を交えて社会を回してる以上、差別主義者とか独裁政権とかの癌はボッコボコに糾弾されて然るべきだと思います。
06.リタ
2年前は「なんかサビ数え歌みたいだしBメロ以外ありふれた歌詞だなー」ってあまり好んで聴いていなかったのを覚えています。
他のアーティストも聴くようになって、色んな表現に寛容になった今だからこそ刺さるようになった部分もあるのかもしれません。
忘れた過去に泣いたりしない 過ぎない時間に泣いたりしない
君と笑った 季節が終わる 時は流れる たったそれだけ
大嫌いな思い出をそれでも引き連れようとする『美しき思い出』とは対照的に、未練がましい過去と決別しようとする曲ですね。
僕はとことん思い出に縋るタイプなので、この試みは羨ましい反面とても恐ろしいようにも見えます。
今めっちゃ幸せだったら「結果オーライ」でどうにでも片付けられるんですが…。
07.たられば(POETRY READING)
何のことかと思った方も一定数いるかと思います。まずはその説明から。
amazarashiの楽曲(ポエトリー以外)には、曲中で唄われている歌詞とは別に、その曲のもう一つの世界を描いたような詩が存在します。
とりわけ「地方都市のメメント・モリ」特設サイトでは、秋田さんによる収録曲分の詩の朗読が聴けるのです。
失敗も挫折も、恥も嘲笑も
あらゆる後悔が、いずれ僕らが諦めるだろうと
たかをくくっているそれならば、この後悔に一泡くわせる
抵抗の手段は唯一、諦めない事だ僕らは二つのものでできている
一つは
成し遂げたもの
もう一つは
「もしああだったら」とか「あの時ああしてれば」とか
そういう叶え損なった望みたちだ
ほとんどの人間は後者の“叶え損なった望みたち”をより多く背負って生きていると思います。
その“あらゆる後悔”が今の僕らを形作っているからこそ、失敗も後悔もしなかった僕がいたとして「でもそれは果たして僕なんだろうか」という問いに繋がっています。
って免罪符を得て調子乗ってるそいつらに「ざまあみろ」って言ってやるには結局、突き進むしかないんですよね。
それが簡単なようで難しい、されど決して不可能じゃない。
この哲学を心得た上で聴く『たられば』がまた一段と沁みます。
08.命にふさわしい acoustic version
偶然にもリタ→たられば→命にふさわしいというメメントモリ3コンボが完成。並び順すら意図していなかったので勝手にフフってなりました。
アコースティック版が選出された理由は単純明快で、2番Bメロ「失くした何かの」の歌声が好きすぎるから。本当に一字一句このフレーズだけです。
amazarashiの弾き語りには声の調子が良い時とそうでもない時があって、この音源はどちらかというと後者だと思います。ぶっちゃけ全体的に音程は不安定です。
単純なクオリティを求めるなら「空に歌えば」初回限定盤の特典映像を観ましょう。
だからこそなのか時々何かが僕のツボにハマる瞬間があって、他にも例えば「命にふさわしいリリース記念ニコ生」で演奏された『この街で生きている』のイントロ“だけ”が好きだったりします。あくまで善し悪しではなく僕の好みです。
この機会に「どんだったっけ忘れちゃったな」って方は是非聴き直してみてください。ひょっとしたら新鮮な発見があるかもしれません。
あ、曲の中身については昨年末に命にふさわしいを語り尽くす記事を書いたのでもういいかなって感じです。笑
09.パーフェクトライフ
殿堂入り曲#1
第一回の頃はCメロ〜ラスサビの流れがベタすぎて不服だったみたいですが、先述のリタ同様に価値観の変化に伴って完全体になりました。大好きな曲です。
折角なので歌詞は当時引用した部分の続きにしようかな。
どこから始まって どこまで続くのか この物語の落とし前をどうやってつけようか
いつだって考えるけど 答えは今も見つからないんだよ けど今日が終わりじゃない事だけは分かってるどこまで行けるか 分からないんだけどさ スタートラインに ようやく立てたよ
こんな風に 僕等を駆り立てる出来事がどれだけあったら失敗じゃない? 僕らの人生は
完璧な人になりそこねたよ 何もねぇ人生
歌詞の構成上、ついつい引用が長くなってしまいました。
溜め息みたいな1番と比べると、既にだいぶ前向きなんですよね。
初めは完璧な人どころか普通にも当たり前にもなれなかった風だったのが、
2番では本来の意味での“完璧”を指して、「くそー、ダメダメだなー俺。」って頭掻いて笑っているような印象を受けます。
というかこれ以降はリスナーを説得するフェーズに入っているので、秋田さん的には実質ここがゴールなのかもしれません。
こんな風に完璧じゃない事の定義が異様に広いことこそ、僕がどんな心境だろうと等しくぶっ刺さる秘訣なんだと思います。
いずれこの曲をめちゃくちゃ掘り下げた記事を書く予定なので詳しくはその時に。
それにしても僕がこんなに愛してやまないのに、この曲には弾き語りやライブ映像等の他の音源が一切存在しないんですよ。酷くないですか。
だからこそ「青の帰り道」でやたら高待遇だったのが個人的に嬉しかったです。真野恵里菜さんのカバーが二種類とシークレットが一種類、いずれもフルで聴けたわけではありませんが結構良さげだったのを覚えています。
秋田さんを除けばこの曲はどうやら女声の方が映えるようなので、トリビュートアルバムなんかが出る際には是非女性がメインボーカルを務めるグループに歌ってほしいと思っています。
10.ハルキオンザロード
殿堂入り曲#2
どうせいつかガッツリ語る曲なので、ここでは敢えてふんわりした感想を書いておきます。
僕にしては珍しく全ての歌詞、全ての情景が大好きな曲です。秋田さんの歌声と絡み合うアレンジがまた不思議な雰囲気を醸し出していて、本当にお世辞抜きで僕の中では満点なのです。
その想いを噛み締めた分、メメモリツアーに参戦出来なかったこと、ましてや映像化をハブられたこと、この二つはとても恨めしく思っています。特に後者な。第一報から事あるごとに言ってるけどさ。
僕らの別れは最初から決まっていた 一番眩しい恒星ほど
燃え尽きるのも早いんだ
「僕らの別れは最初から決まっていた」
この曲で唯一2回使われているフレーズ。尚且つCメロではオクターブが上がっています。
ヒャダインさんがテレビ番組で『僕が死のうと思ったのは』を「Aメロがサビで一オクターブ上がることで感情の幅が出る」と紹介していました。
そういう構成の曲大好きなんですよ僕。[Alexandros]のNawe, Naweとかまさに。
この曲がリリースされた頃、僕はまだAPOLOGIES会員ではなかったので事前に歌詞を知った状態で臨むことは出来ませんでした。
amazarashiとの出会い同様、始めはメロディーラインに一耳惚れした節があるので、リリース前に秋田日記で詩を読んでいたら一体どんな感想を漏らしていたのか。
そういう素朴な疑問が「もし生まれ変わったら」というたらればを僕にもたらす瞬間があります。
殿堂入りとは
僕の中では『パーフェクトライフ』『ハルキオンザロード』の2曲が歌詞もメロディーもアレンジも非の打ち所がない曲として神格化されてきました。それをなんとなく“殿堂入り”と呼んでいます。
そして最近、『そういう人になりたいぜ』という上記の基準を楽々クリアした第三の刺客が現れました。歌詞を見ながら聴くと絶対に鳥肌が立つ“やばい曲”です。
この先このシリーズで出禁になるかは分かりませんが、僕のブログでは事ある毎に褒め讃える曲になると思うのでよろしくお願いします(?)
ちなみに、先述の3曲を“好きな曲”とすれば、『命にふさわしい』『たられば』『未来になれなかったあの夜に』が属する“すげえ曲”部門ってのもあります。違いは僕の感覚です。
さて、気付けば『令和二年』の弾き語り解禁も目前ですね。僕が感想を書かないわけがないので次はその時にお会いしましょうああああああああたのしみいいいいい