こんばんは、ダーレクです。
本記事の発端は「七号線ロストボーイズ」の感想に遡ります。『戸山団地のレインボー』の7色ギミックに感動したついでの偶然の産物でした。
「じゃあ音階も7音だったりしないか」って数えたらド#・レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シで本当に7音じゃん!と舞い上がったは良いものの、どうやらそれは音楽的にオーソドックスな型らしかったので、これマジでどうでもいい一文です。←
この時初めて「全ての曲は7音から成るグループに分類できるっぽい」と学んだ音楽素人兼amzオタクの僕は、どうせなら全曲振り分けてニヤニヤしたくなってしまいました。結果的にも己の性癖にぶっ刺さった記事ができて大満足です。
しかしまあ音域はギリ需要があったとしても、amazarashiの曲ごとの“調”が気になって仕方なかったのは僕くらいなんでしょうね。
耳コピの賜物を調名と照合するのに悪戦苦闘した話は置いといて、僕の知識と経験では「平行調」とやらの識別を諦めざるを得ませんでした。(いつか理解できたら細分化するかも)
例えば、ハ長調(Cメジャー)とイ短調(Aマイナー)はどちらも「ドレミファソラシ」で構成されていますが、基準音(???)が異なるために響きの明るい・暗いにも違いがあるそうです。Bメロに入る時に雰囲気が変わりがちなのも平行調が関係しているようですが、そんなアバウトで主観的なものは作曲者のみぞ知るんじゃないんですか…?
そもそも僕としては曲同士のマッシュアップ適性を知りたいだけなので、基本的に構成音の互換性があるなら合同と見なしています。どっちにしろキーを弄れば全曲同じ音階に合わせられるっぽいんですけど。
あとは調名について、嬰(えい)が♯(半音↑)、変が♭(半音↓)をそれぞれ意味するらしいですが、変イ長調はあっても嬰ト長調は実質無いって謎の決まりがあるようだったり詳しいことは分かりません。(ブチギレ)
難しい話はもうしないので、あとは「この曲とこの曲が同じ鍵盤で弾けるんだ〜」っていう一覧表をお楽しみください。(非和声音はまた別のお話)
調名と曲名
『どうなったって』及び『痛覚』までの全165曲です。
ハ長調/イ短調
構成音:ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ
初雪、コンビニ傘、渋谷の果てに地平線、千年幸福論、ナガルナガル、アイスクリーム、パーフェクトライフ、冷凍睡眠、スターライト、穴を掘っている、季節は次々死んでいく、或る輝き②、百年経ったら、エンディングテーマ、僕が死のうと思ったのは、虚無病、幽霊、ヒーロー、たられば、空洞空洞、月曜日、帰ってこいよ、世界の解像度、空白の車窓から、カシオピア係留所、俯きヶ丘(サビのベース)、ディザスター、ロングホープ・フィリア(バンド版)、どうなったって、痛覚②
(計28曲)
嬰ハ長調(変ニ長調)/嬰イ短調(変ロ短調)
構成音:ド・ド#・レ#・ファ・ファ#・ソ#・ラ#
終わりで始まり、雨男、水槽、ハルキオンザロード、ロングホープ・フィリア(弾き語り版)、鴉と白鳥、間抜けなニムロド
(計7曲)
ニ長調/ロ短調
構成音:ド#・レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ
爆弾の作り方、夏、消息不明、クリスマス、ワンルーム叙事詩、アノミー、理想の花、ピアノ泥棒、おもろうてやがて悲しき東口、この街で生きている、古いSF映画、美しき思い出、14歳、ナモナキヒト、ハレルヤ、アポロジー、祈り、ジュブナイル、ミサイル、あんたへ、もう一度、生活感、自虐家のアリー、タクシードライバー、多数決、ライフイズビューティフル、吐きそうだ、花は誰かの死体に咲く、抒情死、独白、令和二年、太陽の羽化、境界線、火種、戸山団地のレインボー、アオモリオルタナティブ、アンチノミー、心層廃棄物、インヒューマンエンパシー、下を向いて歩こう、君はまだ夏を知らない、自由に向かって逃げろ
(計41曲)
ホ長調/嬰ハ短調
構成音:ド#・レ#・ミ・ファ#・ソ#・ラ・シ
光、再考、遺書、未来づくり、さくら、風に流離い、春待ち、僕は盗む、匿名希望、ドブネズミ、ひろ、或る輝き①、名前、星々の葬列、空に歌えば、バケモノ、月が綺麗、それを言葉という、アルカホール、マスクチルドレン、かつて焼け落ちた町、まっさら
(計21曲)
ト長調/ホ短調
構成音:ド・レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ
ムカデ、よだかの星、カルマ、ポルノ映画の看板の下で、真っ白な世界、冬が来る前に、ラブソング、ジュブナイル、性善説、まえがき、あとがき、ヒガシズム、風邪、収束、明日には大人になる君へ、メーデーメーデー、ワードプロセッサー、悲しみ一つも残さないで、ぼくら対せかい、アイザック、拒否オロジー、とどめを刺して、そういう人になりたいぜ、感情道路七号線、ロストボーイズ、アダプテッド、スワイプ、俯きヶ丘(サビのベース以外)、クレプトマニア、君のベストライフ
(計29曲)
見えてきたamazarashiあるある
こうして比べてみると、調ごとの楽曲数には偏りがありますよね。他のアーティストやジャンルではどうなのか分かりませんが、とりあえずamazarashiはミ・ラを含む調をよく使っているようです。
「そんな光〜」「夏を〜」など丁度いい高さで馴染み深いミも、amz頻出最高音であるラも、その圧倒的使用率には非常に納得感がありました。
また、特筆すべきは「変イ長調/ヘ短調」に唯一リストアップされた『空っぽの空に潰される』でしょう。音域を調べてる頃からユニークな響きだとは感じていましたが、まさかポエトリー曲を含めてもオンリーワンの存在だったとは…!
と、ウキウキしていた13ヶ月後に『ごめんねオデッセイ』が追加されました。それぞれ長調か短調かは全く分かりませんが、とにかく歴史が動いたのは確かです。すごい(小並感)
あとは『ピアノ泥棒』が本当に“ニ長調”だったことに軽く感動したり、
ピアノを前にして じっとしてられなかった おもむろに鳴らす午前三時のニ長調
そもそも「アノミー」の収録曲が『さくら』以外全て「ニ長調/ロ短調」に集結しているのも興味深いポイントでした。amzの初期アルバムの中では比較的地味めな印象だったのも、このメリハリレスが関係している気がします。
同アルバムの6曲目には元々『夜の歌』が収録予定だったという噂を聞いたこともありますが、調のバランスを考えると本当はそっちの方が面白くなっていたのかもしれませんね。
集結といえば個人的に驚いたのは、地声最高音hiA#の3曲(終わりで始まり、雨男、鴉と白鳥)も皆揃って同じ調に属していたことですね。
これはつまり、半音下の調である「ドレミファソラシ」の地声hiA組も、世界線によっては“amz最高音”に名を連ねていたかもしれないのです。とりわけ『空洞空洞』『世界の解像度』らへんは秋田さんにしては余裕を持たせた高音域だったしワンチャンあったのかも🤔
もはや偶然ではなさそうですが、最低音lowF#の3曲(つじつま合わせに生まれた僕等、リビングデッド、夕立旅立ち)も同じ調に固まっています。
ところで『或る輝き』にのみ①、②って数字が割り振られてるんですけど、これはそのまんま転調してるよって意味です。僕は今までずっと「amazarashiは転調したことがない」と思い込んでたんですけど、実は7年以上前にポエトリーリーディングでやってのけていたんですね…。
中でも②は「ド・ド#・レ・レ#・ミ・ファ・ファ#・ソ・ソ#・ラ・ラ#・シ」が全部聴こえるもんでもはや悪い奴は誰だ状態。公開当初は3分割していたものの再検証の結果、後ろ2つを合併することにしました。
ぶっちゃけ未だに自信がないので、音楽理論に詳しい方のご意見お待ちしています。
さて、最後に不思議なカッコ書きが記されている『俯きヶ丘』ですが、この曲はサビのベースだけが独立して全く別の調を奏でています。そんなもんが成り立っている原理は僕には分かりません。とにかく検証したらそうとしか考えられなくなりました。
詳しくは新しく記事にまとめたのでそちらで解説します。