こんばんは、花粉症ダーレクです。
七ロス以来のCD開封、そして月が変わっても続く激アツイベントの数々にルンルンの日々を過ごしていました。ブログにまとめて書いてたので表面上は何もリアクションしてない人に見えたかもしれませんが…笑
元々1.1aのEDにしか聴こえなかった『アンチノミー』は、いつしか仮説人形劇のテーマ曲にしか聴こえなくなり、いざシングルが発売されればちゃんと表題曲として聴こえてくるのだから不思議なものです。
※シングル関連のネタを最後まで溜め込んだせいで、そこそこの長文になってしまいました。
フラゲ日
シングルの新曲と特典の話
3曲の収録時間が9分56秒という情報はリリース前から耳にしていました。2曲合わせて『アンチノミー(5:00)』より短いってどういうことなんだ…!?
従来のポエトリー曲と非ポエトリー曲の最短例はそれぞれ『僕は盗む(1:25)』『スピードと摩擦(3:31)』で計4分56秒。全体からアンチノミーを引くと、なんとこちらも4分56秒。必然の一致か!?!!?
つまり、極限まで切り詰めれば前例からはみ出ない構成もギリ可能ってことですが、カップリング曲を尺ありきで作るとは思えないし一体どうなってしまうんだ…!????
新曲が楽しみなのは勿論ですが、そんなに短い曲で満足できるだろうかという一抹の不安を抱えつつフラゲ日を迎えました。
『心層廃棄物』
この曲の雰囲気はどちらかと言うと従来通りの路線でしたかね?ホッと一息、インタールード用のポエトリー感があります。幻想的な景色の音が『太陽の羽化』にも似ているような。
歌い出し1単語目が「廃墟」なのもあって、Aメロの間は初聴からずっとNieR:Automataの廃墟都市をイメージしていました。
そもそも1.1aありきのシングル盤なので意外でもないですが、実際にインタビュー(後述)で同ゲームを意識していたことも明らかになっています。
そしてサビでは、メメモリに何曲か登場して『空白の車窓から』でもゴリゴリに使われていた電車ネタが再来。
“終わりに向かう「時代」という名前の列車(降車不能)”から今すぐ飛び降りろ、と。列車といえばの「終点」ともかかってそうな感じがいいですよね。
サビの勢いからは「今年のツアーこれで始めるのかな」が真っ先に浮かんだ感想だったくらいにライブの1曲目っぽさを感じました。ピックを片手に「飛び降りろ今」って噛み締めて歌う秋田さんのシルエットまで容易に想像できます。
『海洋生命』
意味不明とは言わずとも、歌い方も曲調も歌詞もイントロもサビも何もかも新しいこと尽くしだと感じました。今までの片鱗を感じたのはイントロの『アイザック』を彷彿とさせるギター参戦と、歌い出しのくだりがamazarashiっぽすぎることくらいです。
初聴では何て言ってるかすら分からなかったのに、一晩経ったらサビの鼻歌を歌っているんだから不思議なものです。非和声音を交ぜつつもクッソ雑なメロディなのが幸いしてか、秒で耳に染み込んできました。一般男性でも声に出しやすい高さなのがまた良くて。
蛇足ですが、歌詞が馴染んでいない頃は「冷凍睡眠」の語感がチラついてBメロを間違えることがありました。
こういう新境地系の楽曲はとっとと感動できる即効性こそ無いものの、あらかじめ幅を広げておくことでいざ需要を感じた時にクリティカルな恩恵を受けられます。理解不能な曲も沢山あるに越したことはありません。
記憶に新しい「法律を破りた〜い」なんかも効いてきたのは半年が経ってからでした。カップリング曲というアルバムテーマに縛られづらい場では尚更実験のチャンスなのです。
僕には「秋田さんのような歌声や表現力が唯一無二のミュージシャンは、生きているうちに幅広いジャンルの曲を歌っておいてほしい」という願望があります。(カバーだとif欲も満たせて一石二鳥)
簡潔に言うと「才能のある人はその才能を使い切ってくれないと勿体ない」ってことですね。もちろん酷使することの強制は出来ませんが、新譜のペースが遅すぎる才能の塊に心当たりがある身としては深刻な問題です。
水を売るならば乾燥した砂漠で 安心を売るならば干からびた不安へ
不安がないならば、電波でばらまいて 強迫観念の砂漠を各地にばらまいて
歌詞はいつもの「なるほどなぁ」って例え話から始まっていて安心しました。Aメロの時点では紛うことなきamazarashiなんですよね。
というか初聴ではここ以外のほぼ全箇所で「!?!?」というリアクションしか出来ませんでした。
Bメロもまさかの「あの青年は 海洋生命か」のみ。拍子をショートカットしつつamz史上最短&最低文字数で駆け抜けるという歴史的な一節です。
この辺で主人公像がイルカになりかけて既にまあまあ謎でしたが、まあこの先で明らかになるだろうと楽観してサビへ。…どうやら無理そうでした。
惑星の壊死、海の生い立ち 折れ線グラフと蟻の自害
神経拒食ニルアドミラリ 良心の銃創
飢餓と畏怖の商業地帯 切断と盲信のクチナシ
性は集団主義に串刺し 悪心の水槽
ニーアレプリカントでAエンドを迎えた時のような、理解とは別の意味で「なるほどね」って言葉が出てくるタイプでした。ネガティブな単語たっぷりなのは一目で分かるんですけどね。笑
「い立ち」「自害」「ミラリ」「地帯」「チナシ」「し刺し」の母音がバチバチに共通しているので、そこだけは絶対に譲るまいと作られたのがなんとなく伝わってきます。
Aメロだけなら1番も2番も「人形劇の主題歌を作るような気持ち」という秋田さんのインタビュー(後述)を踏まえればふんわりと理解できる内容になっています。
とはいえ2番以降は韻踏み優先の体言止めが連発されてだいぶ日本語が難しくなってますね。多分英訳した方がスっと入ってくるパターン。
「父さん母さんもう悲しくなんかありません」に至っては人形劇が関係なかったら偶然が出来すぎていてドン引きするところでした。「乱射する弾丸が射貫いたのは虚無主義」ってのは「生きろ」が降ってきてからの展開を指してるのでしょうか。
そしてそして、ABサビABサビCサビという構成はド定番で『それを言葉という』のCメロが更にポエトリーになっただけとも言えるものですが、まさかの“曲の長さ”という観点でとんでもない革命が起きていました。
そりゃあ3分20秒は『カルマ』『ひろ』『未来になれなかったあの夜に』など2倍以上長い楽曲が存在するレベルですが、3分29秒の『しらふ』を下回ったことで遂に短編ポエトリー曲と通常曲の境目が無くなってしまったのです!
これは『まえがき』『感情道路七号線』など全くリーディングしていない曲もポエトリー扱いとなるので解釈の分かれがちな部分ではありますが、事実上ポエトリー曲とは“付属詩が存在しない曲”として分類されています。
2分53秒 拒否オロジー(ポエトリー)
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3分20秒 海洋生命
21秒
22秒 カラス(ポエトリー)
23秒
24秒
25秒
26秒
27秒
28秒
29秒 しらふ(ポエトリー)
30秒
31秒 スピードと摩擦
32秒
33秒
34秒
35秒
36秒
37秒 空に歌えば
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3分59秒 街の灯を結ぶ
amazarashiにおいて曲の短さにはネガティブな印象を持ってしまいがちですが、余計なものを削ぎ落としたとも言えるわけで、単純に新曲群を周回しやすくなるメリットがあります。
また、セトリにねじ込みやすいサイズであることは特にフェスの場で真価を発揮する可能性があります。仮に秋田さんのお気に入り認定を受けたならば『空に歌えば』みたいな常連枠で定期的に聴けるようになるかもしれません。
まずは今年もあるであろうツアーのセトリに期待ですね。まだアルバム級の弾が揃っていない状態なので、2019年の『さよならごっこ』のようにシングル全部入りも期待できるタイミングです。というか2曲ともライブ映えしそうだから入っていてほしい🙏
特典の数々
- 天使文字
早速ですがパンフレット裏表紙の暗号から。
KENSYOU HYAKUHACHI KAIME
(検証108回目)
と書かれていました。
「上演」ではなく「けんしょう」なのが引っかかって同音異義語も探してみましたが、108回目が失敗するのは流石に「検証」しか無さそうです。確かに「仮説検証」みたいな言葉もありますもんね。(?)
あれだけ感情に苦悩していたのに案外無機質な言葉選びをするんだなとか、人形劇の子供達よりも上位の存在が記した言葉なのかなとか、何はともあれスッキリしたいので知性が欲しい。
ちなみに「機械生命体」「お父さん」「お母さん」の下に振ってある天使文字は、第〇幕みたいなトリックもなくそのまま対応していました。
- インタビュー
やっぱり特典の目玉はパンフレット内のヨコオさん&秋田さんへのインタビューでしょう。それぞれBDや歌ネット(後述)と被っている内容もありますが、全てを知り尽くすにはインタビューが沢山あるに越したことはありません。
事前にネタバレの注意喚起があった割には、ヨコオさんのインタビュー後半では何箇所か“検閲”が施されており全てを読み解くことはできませんでした。少なくとも「アダムとイヴ」「108回目」とか書かれてましたかね。
演出の一環なのか知らないけど、こういう迷惑な勿体ぶり方はしないでほしかったです。こちとらレプリカントまで履修して準備万端だったんだぞ!(アニメで役立って何より)
秋田さんのインタビューもリリース前のコメント辺りでほぼ言われちゃってるんですが、オファーが来た時の心境なんかはこちらでのみ語られた内容でしたね。
確かにヨコオさん達からもファンからも『命にふさわしい』は認められ尽くしていました。ほとんど同じ題材で再びテーマ曲を書いてほしいというオファーは、アイデア的にもハードル的にも手強かったことでしょう。
そんな逆境の中、我らが秋田ひろむは『命にふさわしい』が普遍的な名曲だったのを逆手にとって、2曲目をニーア要素盛り盛りにするという機転を利かせます。
アニメで初めてEDを聴いた時も「感情を持たないでください」だけで楽曲の方向性を察せられて、その手があったか〜と興奮&仰天で呆然とするしかありませんでした。〆の「壊レタヨルハ」でも鳥肌立ったし。
アニメを通して聴くAメロは、秋田さんや人類会議のメッセージとしてだけでなく、2Bや9Sが自身に言い聞かせているようにも聴こえてくるのが良いんですよね。
続きましてヨコオさんのインタビュー映像。“大元の原作者が主題歌に後付けメッセージを吹き込む”って改めてとんでもない好待遇ですよね。お二人の相思相愛っぷりが窺えます。
しかし『アンチノミー』が人形劇の発端となったのは事実としても、「言うほど同楽曲がないと(ニーアとして)成立しない内容か?」とは思っています。元々ニーアシリーズは胸糞悪いどんでん返しが日常茶飯事なので、別にいつも通り「うわあ」と思わせられてそのテーマソングが流れただけというか。
目的がいつもとは違うのに結局いつも通りの地獄が構築されている辺り、さすが強烈な個性の持ち主ヨコオタロウだなぁと。
それはそうと、映像内でずっと『アンチノミー』のインスト版が流れているのが気になりました。あるなら勿体ぶらずに収録してくれい!
ヨコオさんの話している内容はパンフレットの前半部分とほぼ一緒なので、BDの存在意義も実質的には山田俊彦さんの人形トークのみです。
とはいえそっちも、この人形劇がなければ死ぬまでインプットされなかったであろう学びがあって普通に興味深かったですね。
1.1a Editionの『アンチノミー』MV
フラゲ日の夜、唐突に公開されたサプライズMV。著作権の暴力。色んな意味でびっくりしました。
「仮説人形劇が“YOKO TARO Edition”なら“amazarashi Edition”もある説」を見かける度にそんなわけないだろ〜と内心笑っていたものですが、見事に僕が間違ってたようです。
一つ気がかりなのは「曲とシーンが合ってない」という批判に僕も半分賛成できてしまう点でしょうか。3週間の延期もあって深刻な素材不足だったのは見ればわかるので、リリース日の都合が優先される以上は仕方がないことでもあるのですが…。
欲を言えば、歌詞と完璧にリンクさせたネタバレ全開バージョンを最終回放送後に公開してほしかったですね。どう考えても原作終盤をイメージしているであろう歌詞もありましたし、アニメ完結後に素人がMAD動画を作った方がいい感じになっちゃうのも目に見えています。(第6話時点で確信済み)
そんな事情を汲んで視聴する分には、アンドロイドと機械生命体が対の存在としてまとめられているなどよく練られたMVだと思います。本編シャッフルという特性は『1.0』に近いと言えるかもしれません。
リリース前のCMで使われていた「疑えやしない💥」という音ハメが個人的に好きだったので、それを2番Bメロ「証左と なるな💥」で擬似的に再現されたのが嬉しかったです。レジスタンスのおっちゃんには悪いけど毎回にっこりしちゃいます。
他にも「生き延びて」を口パクしてるような9Sとか、コーラスの「ヨルハ」に合わせて“YoRHa”を映すところとか、命MVのオマージュを余さず使ってるのとか、「あなたの手」とか。
ただし、1番のサビには物申したいことが。
ここだけはアニメ予告映像でも通常EDでもサビの前半部分に大きなアクションシーンはなく、ドラムが活発になる「心のバグだ〜」を皮切りに切羽詰まった感情の火蓋が切られる印象が強かったのです。
この「静→動」の温度感さえ踏襲されていれば、いよいよ僕の中では完璧に近いMVでした。
仮に“amazarashi Edition”を制作してもクリエイティブさで勝ち目はなさそうですし、既にアニメMVの再生数は人形劇を上回っているので世間的には十分OKなんでしょうね。
リリース日
タワレコ池袋に行ってきた
いつものようなお店の隅っこにamazarashiブースを構えるスタイルではなく、メインの通り道を挟んで人目を引く形で縄張りを主張していました。
けど僕の訪れたタイミングで露骨にamz目当てだったのは僕くらいでしたかね?タワレコ池袋のイベントには何度か通っていますが、amzファンとおぼしき人と巡礼タイミングが被ることは結構レアな印象です。
アフリカの子ども理論で言わせてもらうと、せっかく池袋店はamazarashiに選ばれし店舗なので、入店したお客さんは全員秋田さんの衣装を拝んでおいた方がいいと思うのでした👀
twitter.com【#amazarashi 大プッシュ店】
— タワーレコード池袋店 (@TOWER_Ikebukuro) 2023年3月1日
「 #アンチノミー 」初回盤、通常盤ともに再入荷いたしました。衣装展は終わってしまいましたが、まだまだ展開中です。秋田さんのサインプリント入り特別レシートは3/13まで引き続き発行中です。期間中のご購入を強くお勧め致します。お買い求めはお急ぎを。(瞳) pic.twitter.com/d43zSltn0c
自宅ライブ再来
twitter.com「アンチノミー」の発売を記念して、明日2/22(水)21時より1時間限定で秋田ひろむが「アンチノミー」を弾き語りした映像をプレミア公開となります。
— amazarashi (@amazarashi_info) 2023年2月21日
amazarashi 『アンチノミー』秋田ひろむ 弾き語りライブhttps://t.co/QmhbOobyXT#amazarashi#アンチノミー
10周年と同じく3曲歌うと思ったら〜、
『アンチノミー』1曲のみでした〜。
チクショー!!
確かに「amazarashi 『アンチノミー』 秋田ひろむ 弾き語りライブ」というタイトルに嘘偽りは無かったんですけど、アウトロに胸熱アレンジもあったんですけど、わざわざ時間指定で呼んでおいて1曲で即解散かよとは真っ先に思いませんでした?
そもそもこの音源がシングル盤の4曲目に収録されていないのがおかしな話です。弾き語りを秋田さんの映像付きで楽しめるよりも、従来通りCDでファンが鬼リピできる方が大事だと思うんですけど。(プロモーション的には知らんけど)
しかも自宅ライブ形式の唯一の前例(2020.6.9)が3曲でしたし、あの「命にふさわしい」のリリース記念ライブ(虚無病ライブの初回盤に付いてるやつ)では『光、再考〜季節は次々死んでいく』を含めて6.5曲もやっていたんです。
twitter.comamazarashi「命にふさわしい」リリース記念ニコ生ライブ本日21時より開催https://t.co/kVotTkF8Yn
— amazarashi (@amazarashi_info) 2017年2月21日
それでもこのタイミングとこの発表方法で、「アンチノミー」リリース記念ライブなんだと早とちりしたこっちが全面的に悪いんでしょうか。
前作「境界線」でも感じたばかりですけど、最近シングルCDの収録内容がケチになってませんか?なんで弾き語り入れないの?それすら無かったらミニアルバムの下位互換でしかなくね?
ただでさえ不景気まっしぐらの現代日本社会で、amazarashiまでそういう気分にしてくるの普通にやめてもらえませんか?🥺
で、百歩譲ってアルバムや映像作品の特典としてこのライブが収録されるならまだ頷けますが、それすら危ういと思ってしまうのは不穏な前例がそびえ立っているからです。
ちょこっと先述した「朗読演奏実験空間“新言語秩序” Ver. 1.01」では企画の一環として、秋田さんの自宅から『マスクチルドレン』『つじつま合わせに生まれた僕等』『令和二年』の3曲を弾き語る映像が配信されました。
『令和二年』という楽曲の初披露だったり『つじつま合わせに生まれた僕等』が弾き語られた唯一の映像だったりレア尽くしの内容だったんですけど、円盤化まだですか?いつになったら正式にもっかい聴けるんでしょうあの音源。
そういや当時もそんなようなことを嘆いていたのを思い出しました。
dalek-amz.hatenablog.com
とは言ったものの今回の僕は同じ轍を踏まないように工夫をしたので、もう悲しくありません。(ポジティブな感想を書きそびれたので、円盤化された際にちゃんと書こうと思います。)
秋田日記&スタッフ日記更新
リリース当日に秋田日記が更新されるなんていつ以来だろうと振り返ったら最後は「ボイコット」でした。およそ3年ぶりです。
結局2月の秋田さんは曲作り進んだんでしょうか。普段はアルバムがリリースされる2ヶ月前くらいから匂わせ日記が来てるイメージなので、少なくとも次作を期待してもいいのは夏以降になりそうですね。
いつも通りの時期にツアーをやって、少し期間を空けて、年末にニューアルバム発売〜だとなんとなく今まで通りのルーティンって感じがします。
スタッフ日記の“色々と準備しているもの”の一つもきっとツアーのことでしょう。
今年はまだツアー名を背負うような作品がリリースされていないので、2017年のベストアルバムや2019年の秋田日記「未来になれなかったあの夜に」のように、ちょっとした取っ掛かりを先行公開してそれに付随するツアーを展開していくと思われます。(この周期では定番セトリになるのが玉に瑕)
変化球予想をやっておくと、個人的には弾き語りツアーとかやってもいいと思うんですよね。別に珍しい響きのイベントじゃないのに、何故かamazarashiはやったことが無いんです。ってそりゃメンバーが2人いるからか。🤔💡
あまざらしツアー期待してます!
歌ネットのインタビュー
最序盤はラジオやらどこかで聞いたことある質問だな〜と流し読みして、確かに昔はSTARをISSUEするような曲調が多かったよな〜と思いつつ、突如「!?」ってスワイプする指が止まったのが次の返答。
多分、一般的に変な声なんですよ。でも変だから人の耳に引っ掛かりやすいんだと思います。
そうそう、秋田さんって変な声なんですよ。喋り声も歌声も。だからこそ僕も6年半前に引っ掛かることができました。素敵で変な裏声に感謝。
もしも秋田さんがただの歌ウマ文学ミュージシャンだったら、きっと素通りしたまま戻ってこれなかったでしょう。
音楽業界において“良い声”は量産型になりうる短所でもあって、それを持って生まれた以上はバケモンみたいな歌唱力でぶん殴ってくれないとこっちも驚くに驚けないんですよね。その代わり、本当に一般受けするタイプのアーティストもこっち側から当選する場合がほとんどでしょうが。
恐らく秋田さんはそれとは真逆の“隙間産業”で売れていくことを宿命づけられていて、そこに出羽さんやYXBXさんなどamazarashiの世界を一層ユニークに作り上げていく仲間が加わったことでこのような軌跡になったのかなと。
それは僕にとっても喜ばしいことでしたが、唯一のデメリットはユニークが故に他人に勧めづらいことなんですよね。
暗いバンド論争は二の次として、一定数秋田さんの歌声を好きになれないのはこっちも重々承知しています。それでもノリノリの振りして大切なものを開示してあげてるのに、予想通りの生返事が返ってきた時のやるせなさったら無いです。
というか、バンドの知名度がその話で盛り上がるかに直結している気もしますね。amzを勧めて変な空気になるのは元々バンド名すら知らなかったタイプの人達です。(体感8割)
一方で「〇〇の主題歌でしょ」とか「友達がファンだよ」とか会話を成立させてくれる人の場合は、結果がどうであれ穏便に流せることが大半でした。えーっと話が逸れていたので次行きましょう。
これは僕の勝手な持論なんですけど、褒められても貶されてもどっちも同じくらい意味がないと思っているんです。特に自分の作品に対しては。自分が素晴らしいと思うものを生み出すことに価値がある。
「第三者がどう思うかは気にせずに歌詞を書く」って話は何度か聞いたことがありますが、歌詞を書いた後も気にしていないことは初めて知ったような気がします。
仮に僕が創作物を発表したとして、その賛否を冷静に客観視することは難しい気がします。10年以上活躍している表現者のメンタリティは一味違いますね。
そして裏を返せば、僕がブログで何を言おうとamazarashiの活動に影響を及ぼすことはないということ!ネット上に雨曝しな気持ちを垂れ流してる身としては万が一が少しだけ心配だったので安心しました。
もちろん風評被害で間接的に…って可能性はあるので怒と哀は程々にしたいですが、猫被りで記事を書くようになったら未来の自分に「嘘つけ」って思われそうだし…結局amazarashiが神曲を歌い続けてくれるのが最善策です。(?)
新たに受け取る感動には必ず発見があって、発見するということは僕の知らない世界であるはず。つまりは一生かけて僕を新しい感動へ誘ってくれることを期待しています。このインタビューの最後に語っていた『たられば』的なくだりとも似てるかもしれませんね。
もしも僕がミュージシャンだったなら 言葉にならない言葉を紡ぐ
誰も聞いた事無い旋律で そんな事考えていたっけな
秋田さんは作品内で特に気に入っているフレーズとして『海洋生命』のCメロを挙げていました。ぶっちゃけこの辺はまだ字面でしか理解できておらず、僕の中ではイメージの整合性が取れていません。
こうも訳が分からないのは、やはりフレーズの大部分が体言止めで形成されているからでしょう。サビとか思いっきりそうだし。こんなの『ラブソング』『メーデーメーデー』などの単語羅列と大差ありません。
それ故に、誰かのメッセージではなく言葉のオブジェクトがポツンと置いてあるように感じるのです。こんなに言いたい事がありそうな文面なのに解読がセルフサービスなので、第一印象が「お、おう」になるのは必然でした。最悪、意味が分からなくとも耳と口が気持ちいいのでどうにでもなるんですけど。
最近の楽曲はもっぱら韻重視で比喩や倒置法が当たり前になってきており、パッと見て何が書いてあるのか認識するのが難しくなっています。作った本人は込められたメッセージを全て把握しているので、言葉の裏側までスラスラ読めるんでしょうけど。
新曲の数だけ嬉しいのは確かですが、僕がそれについていけるかはまた別のお話で。そりゃペラペラ応援歌よりはぐるぐる巻きの秋田さんの深層を少しずつ紐解いていく方が面白いけれども。(読書嫌いがついに響いてきたか…)
リリース以降
ポッドのPodcast第4回
21:34〜 EDと仮説人形劇の話
33:23〜 秋田さんのメッセージとCD開封
毎週聴き続けている人は意外と少なそうですが、パーソナリティの安元さんがニーアに託けて隙あらばamazarashiを褒める番組です。(なんと誇張抜き)
彼自身も相当なニーアオタクっぽいので、その説得力でamazarashiの主題歌を肯定しまくってくれるのはファンとしても嬉しい限りです本当に。「amazarashiの秋田さん」ってこの番組で何度聞いたことか。
第2回Extraでも齊藤Pと「ロスボ東京の翌日に同会場でニーアのイベントもあったよね」って話とかしてます。
この第4回では安元さんの暴露によって、秋田さんが6年前「NieR:Automata」の関係者打ち上げに参加して弾き語りも披露していたことが明らかになりました。めっちゃ面白い情報に感謝。
セトリ関連も『命にふさわしい』はやったんだろうな〜とか考察し甲斐がありますが、そんなことより僕が気になるのはどういう格好で弾き語ったのかです。
オフレコ現場なのもあってそもそも顔出しで参加していたでしょうし、世界観を抜きにすれば紗幕やハットや真っ暗闇も必要ありません。
ワンチャン普通に青森県の秋田弘さんとして関係者の前で真面目に『命にふさわしい』を歌っていた瞬間がこの世にあったかと思うと、失礼ながら流石に笑いが込み上げてきます。大事な物が丸見えって意味では一般ミュージシャンのすっぽんぽんみたいなものですもの。
そんな夢の打ち上げは2017年3月27日に行われていたらしく近い日のamazarashiを調べてみたところ、なんと前日がメセボツアー初日の名古屋公演でした。打ち上げ翌日は「メッセージボトル」のフラゲ日です。なんとも忙しそうな時期ですね。
twitter.comamazarashi Live Tour 2017「メッセージボトル」@Zepp Nagoyaにお越し頂いた皆様ありがとうございました。次は4/2 Zepp Tokyoへと続きます。https://t.co/dXLtBhW510 pic.twitter.com/dOoZ5DwAPq
— amazarashi (@amazarashi_info) 2017年3月26日
CDJ 22/23の特番配信
初のGALAXY STAGE&初の2曲配信で、amazarashiにとっても邦ロック街道の大きな一歩だったと思います。
『火種』も『空に歌えば』も比較的短い曲だったからギリギリ2曲分の尺を貰えたって仮説も一応考えたんですけどどうなんでしょう?普通にステージが大きくなったから?
そんなことより僕は、ロスボツアーを観納めたあの日からライブ版の『火種』をもう一度聴きたくて仕方がありませんでした。事前の願望もそれしかなくて、こういう場では例年最新曲がピックアップされるのもあって期待が膨らんで爆発寸前でした。
配信日当日は『心層廃棄物』『海洋生命』の2曲を初めて聴く直前より明らかに緊張している始末。恐らく他にそんな価値基準の人いなかったですよね。笑
『感情道路七号線(?)』
開始0.1秒で現在地を認識、このどんよりとした雰囲気は感情道路のアウトロです。
「青森から来ました!amazarashiです!」という挨拶をわざわざ抜き出しといて早々スキップするとは考えづらく、僕はこの時点で大大大勝利を確信していました。一周まわって無言&真顔のくそでか拍手で歓迎。
『火種』
待ちに待ったその瞬間にオーマイガーでした。表題曲でもMV曲でもなかったため願望抜きだと若干心配でしたが無事に特番セトリ入り。マジでありがとうございます。
今のところ、2番サビの歌い出しでノリノリ秋田さんを映してくれた部分が一番気に入ってます。
みらよるツアー『未来になれなかったあの夜に』の2番サビ「見える人にだけ見える光だ」もノリノリ秋田さんから始まるのが中毒性あって好きだったんですよね。ある種の音ハメみたいな気持ちよさがあって。まあ音はハマってるに決まってるんですけど。
定点で眺めた現地とは印象が変わってしまう分、こんな風にあの場では観られなかった視点で喜べるのが映像化のお楽しみポイントです。
他にも1番で「思い出させるんだ僕が」って歌っちゃったのをドアップでカバーされてるのが面白かったのと、「火種はあの日の呪いだ」で楽器が大人しくなって歌声だけ取り残される瞬間が大好きなのと、Cメロの「…自分を呪ったのは」は映像化で初めて思い出させられたことをメモっておきます。
全体的に嘘偽りなく大満足だったことは前提として、メロディが上擦ってるシーンは記憶通りの多さでしたね。声が出なくはないけどコントロールしきれてないあの感じ、僕もカラオケでよくあるので共感できます。
愛知公演の火種もまさにこんな感じだった一方、撮影カメラのあった東京公演は完璧じゃねーかってくらい音程ビタビタだったので、ロスボツアーの映像化にはむちゃくちゃ期待してるんですよね。どうか穏便にフル収録されますように🙏
『空に歌えば』
そこからナチュラルにMC直後へ飛んで『空に歌えば』が始まります。
事前予想の2曲目は『命にふさわしい』か『独白』だと思っていましたが、言われてみればこんなにフェス向けの楽曲を選ばない理由がありません。
会場で聴いていた時は疾走感も相まって違和感なく聴いていましたが、冷静に聴き返してみると割とガタガタの音程だったんですね。
中盤の『アオモリオルタナティブ』『命にふさわしい』はツアー顔負けレベルで上手かったはずなのに、ここでもやはりMCで喉のボルテージがリセットされちゃう現象が響いてたんでしょうか。
一番面白かったのは(全員思ってそうだけど)、ガチ勢が集う前方エリアと初めましてが多いであろう後方との温度差。amazarashiのライブで沢山の腕が上がっているという稀有な光景がカメラに収められてしまいました。
通常運転の前方エリアは僕含め微動だにしない人がほとんどで、強いて言えばノッてるというより踊ってるなあって人が数人いたレベルでした。
「郷に入っては郷に従え」と云うように、amazarashiのライブはじっと演者の全てを余すことなく受容するのが醍醐味だと僕は思っています。
実際、初ライブからそう思う人が多数派だったからこそ「静聴する」という暗黙の了解も確立されたのでしょうし、僕もその方がステージにのみ集中できて助かっています。そもそも紗幕っていうエクストラ視覚情報もありますもんねamazarashiって。
しかし考え方を変えれば、フェスというライブ形式もまた数多のバンドを統べる「郷」であるのです。
確かに僕も他のアーティストを聴く時は周りに合わせて運動していましたし、「虚実を切り裂いて」で沢山の手が見える光景はちょっといいなと思ってしまいました。
まあ実際に秋田さんからMCで煽られでもしない限り、僕は居心地のいいamz郷に従い続けるんですけど。何が正解なんだろう???
Aimer『命にふさわしい』
2018年のアジア対バンツアー以降もAimerエアプを継続していた僕にとって、まともに彼女の曲を聴くのは『残響散歌』『escalate』以来3曲目でした。
アップテンポじゃないの初めてだな〜って軽い認識で蓋を開けてみると、もうなんか生命の息吹を吹きかけられて耳が包み込まれるASMRみたいでよだれが出てきました。
歌詞とメロディ以外ほぼ全とっかえレベルですよねこれ。外でたまたま流れていても10秒くらいは気付けなかった自信があります。
少なくとも魔改造っぷりに嫌な気はしなかったので、他者の楽曲をカバーする時はこれくらい染めてしまうべきなんでしょう。amazarashiの『夏の日、残像』もそういうウケ方をしてましたし。
Aimerさんのインタビューにもある通り、歌声から感情や生命力は伝わってくるのに、それが光なのか陰なのかはっきりさせずに鳥瞰している感じが独特でした。
amazarashi版では命にふさわしいとされる「怒り」を強く感じたので光寄りの歌だと思うんですけど。
お二方とも“変な歌声”というデカい括りの中でも表現力のベクトルがそれぞれ異なるので、同じ歌を歌っても違う色で唯一無二になるのが面白いですね。僕が通ってこなかった道にamazarashiが置いてあるのは実に不思議な感覚です。
あの声ってマジでどう説明するものなんでしょう。シンプルな透明感と力強さを併せ持つ豊川さんとも近いようで遠く、さらに言語化しづらい隠し味が含まれているというか。
本当はさユりやずとまよみたいなキンキン属性が僕の好みなのに、今までamazarashiをカバーしてきたのはことごとく真逆のアーティストです。そのくせ全員当たりなのが憎らしい…。
いつかトリビュートアルバムが決まった日には、僕好みのキンキンアーティストも呼んでもらえると助かります。
アニメ第6話の特殊エンディング
twitter.comご視聴頂けた皆様ありがとうございました!
— 益山亮司 R.Masuyama (@masuyama56) 2023年3月4日
時間のない中、特殊エンディングにするわがままを許して頂けたことに改めて感謝いたします!
お気づきの方は居るかもですが、イントロロングバージョンで曲自体も他話数とは若干違います。(続#人類に栄光あれ#ニーア #NieR #ニーアオートマタ pic.twitter.com/TFRc7s56y3
twitter.com【Chapter.6】のコンテ演出は86監督の石井俊匡さんで本話数を仕上げる為に粘り強く注力頂き、EDも自分の雑なコンテに石井さんのアイデアも過分に足され話数を締めくくる素晴らしいEDになりました。
— 益山亮司 R.Masuyama (@masuyama56) 2023年3月4日
キャストも舞台版の同じ役の方々を可能な限り配役するとい新しい試みはヨコオさんの采配です(続
アニメ絵も未公開だった頃の妄想記事にて、エイティシックスの演出の巧みさを例に挙げて「最もコンパクトに満足させるには、同じ監督にニーアも携わってもらうのがベストなんじゃないかってレベル。」なんて願望を垂れ流していました。
それがまさか本当に叶ってしまっていたとは。やけに飽きが来ない完璧なエピソードだなぁと思ってたんですよね第6話。あと大型多脚がウロウロしてるシーンめちゃめちゃエイティシックスのレギオンっぽいなとか。
“本イントロ”までに美しいアレンジが入ったのは勿論、Aメロの左耳アコギがより強調されたり、新規にジャーンが増えていたりタイミングが変更されていたり色々あるっぽいです。Aメロを物悲しくしていた余韻にアコギのアクセントが加わったことでより感傷的に。
耳コピし比べたわけじゃないのでざっくりですが「きっとー辛♪〜ぎる ♪〜」とか「守るもーのが ♪〜」とか新規ジャーンです。
サビでも淡々と盛り上がるタイプの曲なので、人形劇やこの特殊EDのように動きの少ない映像の方が相性が良いのかなって思いました。
というか『アンチノミー』が作品にべったり寄り添っていることで、こういう時に制作側もある意味扱いやすいんでしょうね。いや〜放送延期をのんびり待った甲斐がありました。
シングルに収録されている同曲も従来通りの控えめアレンジだったので、アルバムでは“long edit”が収録されてくれたら嬉しいです。ライブアレンジでもいいよ!!
カップリング曲の歌詞ツイートがついに!
twitter.com廃墟になった町に 粉塵が今も漂う
— amazarashi (@amazarashi_info) 2023年3月6日
強張った表情で 命令形の静寂
嘲笑と同じくらい 共感は粗暴で
ドローンの鳥瞰映像にも 自動広告が流れる
「心層廃棄物」#amazarashihttps://t.co/7mPnJVws5t
3月6日22時、シングルのリリースから12日してようやく『心層廃棄物』の歌詞ツイートが始まりました。翌日には『海洋生命』も続いています。
率直に言って、公式のプロモーションが僕のブログ更新並みに遅いのはまずいですよ!
フライング歌詞バレを警戒して「心層廃棄物」「海洋生命」をミュートワードにぶち込んでたのが馬鹿みたいじゃないですか!!